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東京から桜が消える危機…一斉に寿命、巨額の維持コストと手間、花びらで事故も

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目黒川と桜並木(「Wikipedia」より/京浜にけ)

 今年も桜の季節が到来した。東京都内の靖国神社や上野公園、隅田川、目黒川、飛鳥山公園といった桜の名所には連日、多くの花見客が押し寄せている。花見客のお目当ては当然ながら桜だが、一口に桜といっても樹種は多種多様だ。ダントツで人気が高いのは、ソメイヨシノだろう。

 江戸末期に誕生したといわれるソメイヨシノは淡い色合いが人気を呼んで、明治期に爆発的に全国に分布した。戦後、桜といえばソメイヨシノといわれるまでの存在になり、日本人の心とまで形容される。日本人の心を捉えて離さないソメイヨシノの美しさは、外国人観光客からも人気急上昇中で、最近はソメイヨシノを目当てに訪日する外国人も目立つようになってきた。

 そんなソメイヨシノだが、ここにきて異変が起きている。東京で咲くソメイヨシノは、戦後復興が一段落した昭和30年代に植樹されたものが大半だ。その寿命は約60年といわれており、仮に60年寿命説が正しいとなると、東京のソメイヨシノは間もなく一斉に寿命を迎える。そうした状況に直面し、東京都内の自治体は対応に追われている。ある自治体の公園担当職員は言う。

「東京で桜が植えられている場所は、大きく歩道や緑道といった街路・公園・学校敷地内の3つに分けることができます。そのうち、誰でも自由に桜を楽しむできる街路の桜は、住民からも人気です。ところが、街路などは自動車の往来が激しく排気ガスによってソメイヨシノが傷みやすい。そのため、街路に植えると定期的なメンテナンスが欠かせず、保守点検費用が莫大になるのです。

 また、ソメイヨシノはほかの桜と比べると花びらが多いので、散ったときの清掃にも手間がかかります。街路の桜は町内会や商店といった近隣の方々が自主的に清掃されているケースが多く、そうした場合は行政の金銭的な負担は軽くなりますが、自主的に清掃をしてくれる町内会や商店主は高齢者ばかりになってしまい、頻繁な清掃はキツいという声も聞かれるようになりました。そのため、老木化したソメイヨシを伐採し、新たに花びらの数が少ないコシノヒガンザクラなどに植え替えている自治体も増えています」

ソメイヨシノとの共存は難しい


 高齢化した日本社会において、保守・管理が面倒というソメイヨシノは忌避される対象になりつつあるが、忌避される理由はそれだけではない。ソメイヨシノは地中に広く根を張る性質をもつため、植栽間隔を広く取らなければならない。だから狭い街路には、適さない。

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