結婚したら税金が軽減される?意外と知らずに損している「配偶者控除」活用法
ふるさと納税、確定拠出年金……。世の中には会社員でも利用できる、節税につながる制度が存在しています。でも、「聞いたことはあるけれど実際には利用していない」「知っているようで知らないのだけれど今さら聞けない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで、女性公認会計士コンビ、先輩の亮子と税務に強い後輩の啓子が今さら聞けないそれらの制度について解説していきます。
第3回:結婚すると節税に? 配偶者控除の話
亮子「配偶者控除がとうとう改正になるね」
啓子「はい。話題にもなっています。でもその割に、よくわかっていない人も多いような気がします」
亮子「確かに。『結婚したら税金が軽減されるの?』という質問を受けたことがあるよ」
啓子「『年収が103万円以下なら大丈夫ですよね?』という質問もよくいただきます」
亮子「年収が103万円以下なら配偶者控除を受けられる、という理解も大まかには間違っていないけれど、正確ではないよね」
啓子「はい。2018年から改正されることになっている話題の制度ですし、内容を整理してみたいと思います。今回は17年の所得に関する配偶者控除について解説し、配偶者特別控除及び18年の改正については、次回触れることにいたします。なお『一般の配偶者控除』を取り上げ、70歳以上に適用される老人控除対象配偶者の制度については省略します」
配偶者控除とは
配偶者控除とは、納税者(例えば世帯主である夫)に控除対象配偶者(例えばパートをしている妻)がいる場合に、一定の金額(38万円)を納税者の所得から控除することで、納める税金が減額される制度です。
単に夫婦というだけで無条件に配偶者控除の制度を使えるわけではないので、注意が必要です。たとえば、旦那さんが会社勤めの会社員、奥さんはパートとして働いている例を考えてみましょう。この場合、奥さんが「控除対象配偶者」となるためには、12月31日の時点で、次の4つの条件を満たす必要があります。
(1)民法の規定による配偶者であること
(2)納税者と生計を一(せいけいをいつ)にしていること
(3)年間(1月1日から12月31日)の合計所得金額が38万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(4)青色申告者の事業専従者として、その年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと、又は白色申告者の事業専従者でないこと