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平林亮子と徳光啓子の「女性公認会計士コンビが教える、今さら聞けない身近な税金の話」

結婚したら税金が軽減される?意外と知らずに損している「配偶者控除」活用法

文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表、徳光啓子/公認会計士

 それぞれの条件について詳しくみてみましょう。

(1)民法の規定による配偶者であること

 これは婚姻届を提出していて法律上夫婦となっていること、という意味です。そのため、事実婚(内縁関係)の方は配偶者控除の制度を使うことができません。

(2)納税者と生計を一にしていること。

 生計を一にしているとは、納税者と配偶者の家計が一体となっており、納税者の所得が家計の基本となっているという意味です。ただし、必ずしも同居して同じ屋根の下で生活しなければならない、ということではありません。たとえば、仕事の関係で納税者が単身赴任している場合であっても、お休みの日には自宅に戻って家族と過ごすことが多い方や、常に生活費等の送金が行われている状態にある夫婦等は生計を一にしていることと判断されることがあります。反対に、夫婦が明らかに独立して生活をしている場合は、生計を一にしているといえませんので、配偶者控除の制度を使うことはできません。

(3)年間の合計所得金額が38万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)

 これは納税者の配偶者(この例では妻)の年間の合計所得が38万円以下であれば、配偶者控除を受けることができるという条件です。いわゆる「103万円の壁」といわれています。配偶者の収入が給与だけの場合、給与収入が103万円であれば、合計所得が38万円となるためです。なぜ、給与収入が103万円だと合計所得が38万円となるのかという点については後述します。

(4)青色申告者の事業専従者として、その年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと、又は白色申告者の事業専従者でないこと

 この条件は個人事業主(自営業)の方に適用される条件ですので、会社勤めの会社員の方は当てはまらないことが多いと思います。たとえば、夫の事業を妻が手伝っていて、妻にお給料を支払うといった場合には、配偶者控除を使うことができないという意味です。会社員の方が副業をしている場合は、個人事業主となる可能性もありますが、事業として副業されている方は少ないと思いますので、この(4)の条件が当てはまるケースはあまりないと考えます。

合計所得金額38万円と年収103万円の壁

 さて、納税者が配偶者控除を受けるための条件のひとつとして、配偶者の合計所得金額が38万円以下であることが求められています。これがいわゆる「103万円の壁」と呼ばれる条件なのですが、103万円と38万円には、いったいどのような関係にあるのでしょうか。

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表

1975年千葉県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部地理学科出身。
企業やプロジェクトのたち上げから経営全般に至るまで、あらゆる面から経営者をサポートしている。
また、女性プロフェッショナルに関するプロジェクト「SophiaNet」プロデューサーを務めるなど、経営サポートに必要な幅広いネットワークを持つ。
さらに、中央大学商学部客員講師として大学で教壇に立つなど、学校、ビジネススクール、各種セミナーなどで講義、講演も積極的に行っている。
『決算書を楽しもう!』 『「1年続ける」勉強法―どんな試験も無理なく合格!』(共にダイヤモンド社)、『相続はおそろしい (幻冬舎新書)』(幻冬舎新書)、『1日15分! 会計最速勉強法』(フォレスト出版)、『競わない生き方』 (ワニブックスPLUS新書)、『5人の女神があなたを救う! ゼロから会社をつくる方法』(税務経理協会)など、著書多数。
合同会社アールパートナーズ

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