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山崎俊輔「発想の逆転でお金に強くなる『お金のトリセツ』」

「年金破たん」が言われなくなった理由…受給金額15%カットでも大丈夫

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死ぬまでもらえることが、もっとも重要な「年金の価値」


 国の年金制度は、給付額が下がったとしても制度そのものは残っていたほうが私たちにとっては得策です。というのも、「死ぬまで何年でももらい続けられる」という条件が、国の年金では保証されているからです。

 老後資金の一番の難しさは、「あと何年生きるかわからない老後が、異常に長期化している」ことにあります。前世紀であれば、実は老後は10年から15年を見込めばよかったのです。簡単にいえば、「国の年金+退職金の10%」を年間予算にしてやりくりできました。1000万円の退職金をもらったとすれば年100万、毎月8万円使えます。

 今は、65歳男性はあと16年(平均寿命81歳)、女性は22年(同87歳)生きることになります。さらに4人に1人は男性は90歳、女性は95歳まで生きる時代なので、「老後は30年」ともいえます。そうなれば、退職金から使えるお金は年10%ではなく3.3%です。退職金が1000万円の場合、毎月2.8万円しか使えないわけです。

 しかし、「生きている限り無条件で、日常生活費相当くらいをずっと支払い続けてくれる」という条件のお金があります。それが年金です。

 長生きすれば納めた保険料以上の年金をもらうことになりますが、国が支給停止したり減額することはありません。民間の企業年金は長生きリスクに耐えられないので、10年ないし15年の有期年金で支払いをストップします。定期預金残高をコツコツ取り崩して長生きしたらゼロ円になるという可能性はありますが、年金支払いはストップしません。

 実は国の年金については、給付額が減っても、死ぬまでくれる約束さえ国が守ってくれれば、我々にとっては「価値あり」の制度なのです。

つぶれないが、減るは減る


「適当」というと「いい加減」なイメージがありますが、本来の言葉の意味は「適切に」です。「適当」に年金制度を理解するとしたら、

「潰れはしない」
「死ぬまでもらえるのがいいところ」
「しかし、減るは減る」

ということになります。

 年金の受給開始年齢が上がっても、法律でその年齢まで働けるよう企業に義務づけされるので、心配はありません。「65歳から75歳まで国は無収入で生きろというのか」というようなミスリードにも踊らされないようにしてください。

 さて、「減るは減る」ですが、受給金額は今より15%くらいカットされることは法律上決まっています。現在の標準モデルは夫婦で月22.1万円ですが、これが18.8万円くらいになる感覚です。とはいえ、女性も会社員であった夫婦の場合は年金額がもう少しアップします(現在の標準モデルで月30万円弱、減額後でも月25.5万円程度)。また、年金生活者は税金や保険料負担がぐっと下がりますので、国に引かれるお金は多くありません。住宅ローンさえ返し終わっていれば、食費や日用品を買って日々生活するのには足りるはずです。

 国の年金は、最低限度の日常生活費くらいはなんとか保障してくれる、とイメージするといいでしょう。逆に言い換えれば、「自分でためるお金は老後に生活できないからではなく、余裕や趣味に回す予算確保のためである」ととらえてください。そのほうが貯める気も高まります。

 それが、マスコミやネットが教えてくれない、国の年金制度に関する「ちょうどいい」「適当な」理解だと思います。
(文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表)

【参考情報】
http://www.gpif.go.jp/operation/highlight.html
http://www.kkr.or.jp/shikin/h28_4q_k.pdf
http://www.chikyoren.or.jp/sikin/pdf/joukyo_H28.pdf
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life16/index.html

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