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丸紅、「総合商社」から脱落の危機…業績悪化に会長・社長対立が影落とす

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丸紅旧大阪支社ビル(「Wikipedia」より/J o)

 総合商社は好決算に沸く。石炭や鉄鉱石などの資源価格の上昇を受け、2018年3月期の純利益は、三菱商事が5000億円、伊藤忠商事が4000億円、三井物産が4000億円、住友商事が2800億円と、それぞれ過去最高益を見込む。丸紅は1700億円の見込み。丸紅の最高益は14年3月期の2109億円で、ひとり取り残された格好だ。

 各社は資源価格の上昇を追い風に増配する。三菱は年間配当を前年の80円から95円に引き上げた。同じく伊藤忠は55円から70円、三井は55円から60円、住友は50円から56円、丸紅は23円から25円に増やす。

 資源市況の変動を警戒し、商社株は総じて振るわないが、株主への還元を強化することによって投資家を呼び込むことを狙う。

 1990年代の「冬の時代」を乗り越えるべく、総合商社はかつての貿易業務(トレーディング)から事業投資モデルに転換した。2000年代半ばからの10年間は資源価格の高止まりもあって高い利益水準を維持し、総合商社は「わが世の春」を謳歌した。

 ところが、14年後半に原油相場が急落。鉄鉱石、石炭、銅などの金属価格も下落し、各社とも巨額の減損損失を計上した。「資源商社」の異名を持つ三菱と三井は、16年3月期に初めて最終赤字に転落。資源以外に収益を多角化してきた伊藤忠が最終利益で首位になった。伊藤忠がスリーダイヤの雄、三菱を初めて最終利益で上回ったのだ。

 その後、資源価格は回復した。鉄鋼生産に必要不可欠な原料炭は16年前半の平均と比べ約8割高。銅や鉄鉱石も上がった。資源価格の持ち直しで三菱と三井は17年3月期にV字回復、住友や丸紅も1000億円台の最終利益の水準に戻った。

 とはいっても、資源の市況は変動が激しい。瞬時に向かい風に変わる。各社は市況に左右されにくい非資源分野を強化。自社が得意とする事業領域への投資を鮮明にした。

 非資源分野で業界首位を狙う伊藤忠は12年、米ドールの加工食品事業とアジア青果事業を1350億円で取得。15年、タイの財閥チャロン・ポカパン(CP)グループと組んで、中国の国有コングロマリット、CITIC(中国中信集団)に1兆2000億円を折半投資した。

 各社は生活産業に力を入れている。なかでも三菱と丸紅のケースが明暗を分けた。

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