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孫崎享「世界と日本の正体」

韓国、北朝鮮との融和重視で米韓緊張突入か…米韓軍事演習のレベル低下要請の可能性

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2018年平昌五輪アイスホッケー女子予選そっくりさんが登場(YONHAP NEWS/アフロ)

北朝鮮からの南北首脳会談の提案


 韓国大統領府の報道官によると、北朝鮮の金正恩労働党委員長の妹で、高官級代表団の一員として韓国を訪問し文在寅大統領と会談した金与正氏は、金正恩氏の親書を渡した。金与正氏の肩書は党中央委員会第1副部長。金正恩氏は南北関係改善を望んでおり、「可能な限り早期」の首脳会談を望んでいると書かれていたという。こうした事実を韓国政府は2月10日に明らかにした。この提案に対する文大統領の基本姿勢は、「条件を整えて実現させよう」である。

米国の対北朝鮮政策


「北朝鮮の南北首脳会談提案後の朝鮮半島情勢は、どのように展開するか」を考察する前に、極めて重要な国際政治の原則に言及しておきたい。

 ある地域にAとBとの国家が存在し、AB関係がどう発展するかという問いがあったとする。その際、AB双方の意図の分析のみ行って将来を読むと、しばしば間違いを行う。それを行う前に、超大国(現在は米国)がこの地域にいかなる戦略を持ち、それがABの思惑とどう関係するかを見ておく必要がある。この超大国の動きが流れをつくる。

 その意味で今日、トランプ政権の北朝鮮に対する政策は、

・北朝鮮の核保有を認めない
・北朝鮮の核保有を阻止するため、圧力をかける。そのなかには北朝鮮への軍事攻撃も含む

というものである。この姿勢は、昨年よりも一段と強化されている。

 米国の北朝鮮政策を決定するのに主要な3名がいる。マティス米国防長官、マクマスター国家安全保障問題担当大統領補佐官、ティラーソン国務長官の3名である。このなかで北朝鮮への武力行使を最も強く主張しているのはマクマスターで、軍事攻撃も選択肢のなかにあるとしている。次いでマティスは、外交的手段が成功しなければ軍事攻撃もあり得るとの立場である。軍事攻撃に反対するのはティラーソンである。そしてトランプ政権内で、ティラーソンの発言力が最も弱く、常に辞任の噂が出ている。

 こうしたなか、現在の米国政府内の空気を象徴する事件が発生した。ビクター・チャが昨年10月の時点で駐韓大使に内定し、韓国側に通報されていたが、この内定が取り消されたのである。ビクター・チャは韓国系米国人。2004年12月にホワイトハウス(共和党ブッシュ政権)入りし、国家安全保障会議(NSC)アジア部長となり朝鮮半島や日本などを担当。6者協議ではヒル国務次官補のもとで米国次席代表を務めた。07年5月NSC退任後はジョージタウン大学教授に就いた。ビクター・チャは米国学界における朝鮮半島に関する最も有力な専門家といっていい。

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