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マネックス、コインチェック買収で抱え込んだ「爆弾」

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マネックスが仮想通貨事業に参入する目的

 マネックスが仮想通貨事業への参入を目指すのは、仮想通貨の基礎技術である「ブロックチェーン(分散型台帳)」が今後の金融取引を大きく変える可能性を秘めているからだ。17年10月に松本氏は「第二の創業」としてブロックチェーンの活用を表明。18年1月には仮想通貨交換業への参入を念頭に、仮想通貨研究所を設立した。

 コインチェックのNEM流出事件の捜査の行方も気になるところだ。「警視庁の最終ターゲットはコインチェックの経営陣」(捜査関係者)といわれている。あくまで風聞だが、もしそうだとしたら、NEMの流出の代償は大きなものになる。顧客との訴訟も抱えており、仮に賠償となれば100億円単位の損失が出る。200億円という観測もある。どこまでリスクが拡大するのか、まったく予測できない。

「コインチェックは訴訟を抱え、金融庁の登録業者でもない企業。上場企業の常識からすれば、買収は相当なリスク。手を挙げる企業は限られる」(仮想通貨登録業者)

「安く買った」という評価は的外れである。マネックスによる買収額は36億円。全株式を取得して、4月16日付で完全子会社にする。買収のためにマネックスがまず支払うのが36億円ということだ。コインチェックが今後3年間で計上する当期純利益の半分相当額から訴訟費用などを差し引いた額を、追加の買収費用として支払うことになっている。訴訟リスクなど先行きを見通しにくいなか、こうした契約でコインチェックとマネックスは折り合いをつけた。コインチェック創業者の和田晃一良社長と大塚雄介取締役は取締役を退任するが、システム面などを担う執行役員として残る。これも火種となり得る。

 新社長の椅子にはマネックスの勝屋敏彦取締役常務執行役が座る。勝屋氏は3月6日付でマネックスの最高執行責任者(COO)から取締役となり、コインチェックの社長職を兼務する。06年にマネックス・ビーンズ・ホールディングス(現マネックスグループ)に入社した勝屋氏は、三菱銀行(現三菱UFJ銀行)出身。15年から17年までマネックス証券の社長を務めていた。松本氏もコインチェックの取締役に就任する。

 マネックスはネット証券大手だが、最近では「負け組」。16年9月中間期は1億200万円の赤字に転落。17年3月期の利益は2億9800万円と低空飛行。16年3月期は35億5400万円の利益を確保し、14年同期は103億5400万円と莫大な利益を上げていた。だが、米国に進出して失敗し、業績の足を引っ張ってきた。

 松本氏は17年10月27日付で2年ぶりにマネックス証券の社長に復帰。「グループの業績の停滞に我慢しきれなくなって社長に復帰した」と評判になった。

 今回のコインチェックの買収を契機に、マネックスの会長兼社長兼CEO(最高経営責任者)となり、名実共に陣頭指揮の体制に戻った。

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