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鷲尾香一「“鷲”の目で斬る」

安倍首相、囁かれる「昭恵夫人と離婚&解散総選挙→自民圧勝」シナリオ

文=鷲尾香一/ジャーナリスト
安倍首相、囁かれる「昭恵夫人と離婚&解散総選挙→自民圧勝」シナリオの画像1安倍晋三首相と昭恵夫人(つのだよしお/アフロ)

 4月上旬、永田町界隈では「安倍晋三首相の切り札」の話が囁かれていた。“切り札”とは、もちろん森友・加計(モリカケ)問題に対する追及から逃れ、内閣支持率を回復する“切り札”だ。財務省による公文書の改竄という重大な事実が明らかになり、問題は新たな局面に入った。加計問題で「首相案件」とする文書が見つかるなど、安倍首相の関与に対する疑惑が深まった。

 4月13日から15日にかけて行われた日本テレビ(NNN)系列の世論調査では、初めて安倍内閣の支持率が30%を割り込み、26.7%という「危険水域」に突入した。竹下登氏の秘書から政治家に転じ、内閣官房長官などを歴任し“参議院のドン”と異名を取った青木幹雄氏が打ち出した「政党支持率と内閣支持率の和が50%を下回るとその政権は退陣する」という青木方程式(青木率)に当てはめた場合、自民党支持率33.4%+安倍内閣支持率26.7%=60.1%となり、まだ“安全圏”のように見えるが、「相当に危険な水準。いわば、赤信号手前の黄色信号のようなもの」(自民党関係者)という認識が広まっている。

「安倍内閣は相当な危機感を抱いており、なんとかこれ以上のモリカケ問題追及を回避し、内閣支持率を回復する手立てを模索していた。その“切り札”として浮上したのが、解散・総選挙に打って出ることだった」(同)

 NNN世論調査では、自民党支持率は33.4%であるのに対して、第2位の立憲民主党の支持率はわずか9.5%にすぎない。

「モリカケ問題で国民の信を問うという理由で、解散・総選挙に打って出れば、たとえ安倍内閣に対する支持率が低くても、自民党勝利は確実であり、勝利すれば安倍首相は国民の信認を得たとして、政権の座を維持できるという目論見なのだろう。実は選挙に打って出られるのが、野党にとって一番ダメージが大きい」(野党関係者)

 この“切り札”について、安倍首相に近い関係者は語る。

「解散・総選挙という声がやたらに聞こえてきたので、その出所を探ってみると、一人の人物に行き当たった。それは、小泉純一郎元首相の秘書であり、小泉政権下では総理秘書官を務め小泉政権を動かした飯島勲内閣官房参与だ」

 飯島氏は4月17日、BSフジのテレビ番組に出演し、「今の情勢が長引くと自民党が不利になる。ゴールデンウィーク明けの早い時期に衆議院を解散するべきだ」と指摘。その上で、「連休明けに衆議院を解散し、6月3日投開票の日程で検討している」ことを明らかにした。

 この点について、前出の安倍首相に近い関係者は、「解散・総選挙は飯島氏の振り付けであって、安倍首相の考えではない」という。

 さらに別の永田町関係者は、こう語る。

「あくまで噂レベルですが、安倍首相と夫人の昭恵氏の“電撃離婚”シナリオも流れています。モリカケ問題の責任を政治家でもない、官僚でもない、昭恵氏の不徳とし、電撃離婚することで問題の収拾を図ろうというもの。これに合わせ技として解散・総選挙を行う可能性もあります」

 昭恵氏は“家庭内野党”と揶揄されるように、安倍首相のコントロールが利かない。また、安倍首相の実母・洋子氏との不仲説もたびたび取り沙汰されている。いわば、「安倍家、安倍首相にとっては厄介者」という存在。果たして、安倍首相が妻に責任を押し付けて、自らの保身を図る展開となるのか。政局から目が離せない日々が続く。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)

鷲尾香一/ジャーナリスト

鷲尾香一/ジャーナリスト

本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。

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