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中村芳子「お金のことで苦労せず、人生を楽しむためのお金の基本」

年間40万円超もあなたのお金を奪う「コンビニ貧乏・カフェ貧乏」…陥らない方法

文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー
年間40万円超もあなたのお金を奪う「コンビニ貧乏・カフェ貧乏」…陥らない方法の画像1「Gettyimages」より

これを身につければ一生の宝、お金の基本テクニックを、おさらい

 4月に社会人になった皆さん、仕事には慣れましたか? 怖がらずに電話に出られますか? 仕事のEメールの書き方はマスターしましたか? だらだら残業せず、にこにこ「お疲れさまでした、お先に失礼します」と爽やか笑顔で、先輩より先に帰れるようになりましたか?

 そして、クレジットカードに頼らず、給料の範囲で生活できていますか?

 このシリーズでお話ししている通り、お金との上手な付き合い方の基本は次の8つだ。

年間40万円超もあなたのお金を奪う「コンビニ貧乏・カフェ貧乏」…陥らない方法の画像2『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(中村芳子/ダイヤモンド社)

(1)借金をしない
(2)手数料を甘くみない
(3)コンビニ貧乏カフェ貧乏にならない
(4)まず、現金で生活してみる
(5)貯金は今から一生するものと心得る
(6)保険は、これだけ入れば大丈夫
(7)マネーアプリで支出を管理する
(8)お金で幸せを買う

「借金をしない」とはまず、カードを使わないこと。カードに頼らないとお金が足りなくなるなら、収入の範囲で生活できず給料を前借りしていることになる。なぜなら、カードの代金は来月や再来月の給料から払うことになるのだから。

「手数料を甘く見ない」の基本は銀行のATM手数料や振込手数料のこと。1回数百円の手数料もチリが積もって月1000~2000円、年1~2万円に。一生の間には100~200万円になるとお話しした。小さいことに気を配らないと、大きなお金でも失敗することになる。

 今回は3番目。「コンビニ貧乏、カフェ貧乏にならない」について解説したい。

ついついお金を使ってしまう、いつものあの場所

 朝、通勤途中でカフェに寄って新聞をチェックしながら、お気に入りの一杯。映画のワンシーンみたいで我ながらうっとりする、思い描いていたカッコいい社会人。ランチの後はカフェへ。仕事の合間の一杯はコンビニエンスストアか自販機のコーヒーで。夕方は今日1日がんばったご褒美のスイーツ。チューハイとおつまみ。たまには本物のビール――。

 ひとつずつは、どれも数百円なのだけど、1日分を計算してみると結構大きな額になる。

 たとえば、スターバックスコーヒーでの朝食。私のお気に入り、ダブルショートのカプチーノ(DeCafe)は370円。600円台の季節のフラペチーノよりはずっと安い。これにアメリカンワッフル250円をプラス。昼食後のコーヒーはコンビニで150円。仕事の後は缶チューハイとおつまみで400円。日によってはこれに雑誌、チョコレート、カップヌードル、ガムなど、ついつい買ってしまう。

 では、昨日1日でカフェとコンビニでいくら使ったか計算してみよう。それから過去1週間。ランチや弁当は除いていい。上の例だと1日1170円、週8190円。1年(52週)で42万5880円 。意外に大きい額になる。

 カフェでの出費が実はあなたの家計を圧迫している、というのは古今東西共通の事実。2001年に良書『かしこいカップルが最後に笑う』(翔泳社/デヴィッド・バック著)という翻訳書の監修をしたが、この本でも「お金がたまらないひとつの原因は『ラテ・マネー』、つまりカフェで毎日飲む一杯のおしゃれなコーヒーだ」という指摘があった。 

本当の満足のためじゃなければ、削ってしまおう

 といっても私は「コンビニ代、カフェ代は無駄だからゼロにしなさい」と言ってるわけではない。なんとなくお金を使っていて、使っただけの満足を得ていない分を削るといいよ、と提案している。

 気合を入れる月曜日の朝は、カフェで朝食。でもそれ以外は、自宅で自分でドリップコーヒーを入れて、ランチの分もポットに入れて持っていく。会社帰りのコンビニ立ち寄りは、火曜日と木曜日だけにする。たったこれだけで、1週間のコンビニとカフェでの出費は1870円となり、1年では 9万7240円に。なんと、先の例に比べると年32万円以上の節約。これで、海外旅行1回+国内旅行2回くらい行けそうだ。

タバコをやめると、こんなに貯まる!

 借金をなくして貯金したい、とファイナンシャルプランニングの相談に来た30代男性は、1日1箱タバコを吸っていた。420円。相談しているうちに自分から「タバコ代を減らしてその分貯金したい」と言い出した。すばらしい。いきなりやめるのは難しいので、半分に減らすのを目標に。たったこれだけで、年7万6650円の節約になる。

 お金のためにも健康のためにも、本気でタバコをやめたい人には、健康保険が使える「禁煙外来」を勧める。治療費は約3カ月の治療スケジュールで、1万3000円~2万円程度(「すぐ禁煙.jp」より)。これに対して1日420円、残りの人生70年として使うお金は1073万円。この分、投資信託で積み立てたら、2000~3000万円に増える可能性だってある。決心して行動に移すのは、早いほど効果がある

「だらだら使わない」は財布にも体にもヘルシー

 私の事務所のあるビルの1階には、コンビニが出店している。誘惑が大きいので、罠にかからないために心がけているのは、以下の点だ。

(1)空腹のときに行かないこと
(2)買うものを決めて入ること
(3)コーヒーは自分の好きな豆で、自分の好きな濃さでつくり、マイボトルに入れて持ち歩く(そのほうがおいしいので、コンビニで飲もうと思わなくなる)
(4)仕事の合間や仕事帰りのおやつは、ヘルシーなもの(ミックスナッツや全粒粉クラッカーなど)を常備

 けち臭さと紙一重だが、「自分の流儀を貫いているからクール」と自画自賛すればいい。こんなライフスタイルは財布に優しいだけでなく、無用な砂糖や添加物、不健康なものを体に入れなくてすむから、体にもヘルシーだ。

 Staying Healthy, 健康であり続けることは、これからばりばり仕事をするため、ずっと楽しく遊ぶためにいちばん大切なこと。生活習慣病の予防にもつながって、将来の医療費の節約にもなる。標準体重の(肥満でない)非喫煙者なら、保険会社によっては、生命保険の保険料が割安になる。いいことだらけだ。

予算管理のためにプリペイドのコンビニカード、カフェカードを使う

 コンビニやカフェで使うお金をコントロールするに、先ほど提案した通り、過去1週間、1カ月のコンビニやカフェで使った金額をチェックし、その数字を元に予算をつくる。「1週間2000円までにしよう」とか「1カ月4000円を守る」とか現実的な金額を決める。

 予算管理の方法はいろいろあるが、ひとつの方法はプリペイドカードを利用すること。コンビニでは交通系のPASMOやSuicaを使いキャッシュレスで払う人も増えているが、これでは上限なく使えるし、いくら使ったかわかりにくい。危険だ。

 セブンイレブン系のnanaco、ファミリーマートやローソン系で使える WAON など、コンビニ系のプリペイドカードを1枚つくり、定期的に予算分だけ入金する。たいていのカフェは、プリペイドカードやコーヒーチケットを扱っているから、こちらも1週間分あるいは1カ月分の予算だけを入金・購入する。そしてその範囲で利用する。大切なのは「プリペイド」だけを使うこと。

 特定のカードを持つことで、ほかのお店やカフェに入れなくなるちょっとした不自由さが出てくるが、実はそれも予算を守るための、いい歯止めになってくれる。支払い方法がスムーズすぎると、誰だって使いすぎてしまう。ちょっと不自由なくらいがちょうどいい、と心得よう。

節約のご褒美も決めておこう

 先の例では、コンビニとカフェの予算をたてて守ることで、年35万円節約できる計算だった。せっかくがんばったのだから、節約できた分の一部はご褒美に使いたい。半年か1年ごとに「予算を守れたらご褒美はこれ!」と決めておくと、がんばれる。気が短い人は3カ月ごとでも。

 半年で10万円節約できたら、5万円でお気に入りブランドの靴を買って、5万円は貯金。年30万円節約できたら15万円で海外旅行に行くのもあり。ハワイも行けるしアジアリゾートにも行ける。そして15万円は貯金、というふうにできたらすばらしい。

 健康になって、楽しみも増えて、お金も貯まる。これが大人の流儀です。予算を立てて、プリペイドカードの準備ができたら、楽しい計画を立ててください。
(文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー)

※個人のお金に悩みに回答する「FP相談」を承っています。FP相談、および本記事に対するお問い合わせはこちらへ。新社会人からのお金の質問、悩み相談も受け付けています。

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

1985年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FP協会(現WAFP関東)の設立者の一人、初代理事長。 1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」(2010―2016)を監修。辛口だが、お金だけにとらわれないユニークで温かいアドバイスが人気。


主な著書に『50代のいま、やっておくべきお金のこと』『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(以上ダイヤモンド社) 『女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方』(三笠書房) などがある。『3日でわかる聖書』『養子でわくわく家族』『神の津波』など、お金以外の著書や翻訳もある。

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