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安倍政権、生活保護費160億円カット…約8百万世帯が生活保護水準以下の生活か

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安倍晋三首相(写真:日刊現代/アフロ)
「1億総活躍社会」を掲げる安倍晋三政権は、一方で生活保護基準の引き下げに執心してきた。2013年から、生活保護基準の最大10%にも及ぶ引き下げを断行。全国29都道府県で1000人近くが違憲訴訟を起こす事態になっている。さらには、今年10月から3年間かけて、平均1.8%、最大5%、年額160億円の引き下げが予定されている。


 生活保護を「ナマポ」と揶揄し、「一般庶民の暮らし向きとは関係ない」と決め込むのは勝手だ。しかし、現実はそれほど甘くはない。日本の労働力人口約6500万人のうち、年収300万円以下は2500万人を超える。3世帯に1世帯が貯蓄ゼロ。生活保護世帯は164万世帯だが、その捕捉率は20%ともいわれ、現実には約800万世帯が生活保護水準以下の生活を強いられている。

 ここ最近は、高齢者層の受給者増が目立つ。背景には、長引く不況と高齢化の影響がある。生活保護の問題は、決して他人事ではない。

 衆議院第1議員会館大会議室で6月7日、「生活保護基準の設定はいかにあるべきか」と題する緊急院内学習会が催され、160人が参加した。注目されたのは基調講演。先ごろまで厚生労働省の生活保護基準部会(以下、部会)部会長代理を務めた、岩田正美・日本女子大学名誉教授が登壇した。

 岩田氏は貧困研究の第一人者。部会の議論のなかでも、積極的に物申してきた。部会はともかく、霞が関で設置される審議会・検討会の類には疑念がつきまとう。構成員の人選は役所の意向を踏まえて決定。「御用学者」が覚えめでたく活躍する。「事務局」を務める役所のさじ加減で「論点整理」が進み、議論の方向付けがなされる。これが「審議会・検討会行政」の実態だ。

 御用学者とは一線を画す岩田氏は、主に2つの限界を指摘した。まずは「水準均衡方式」の限界。高度成長期から、生活保護基準は低所得層と均衡することを目指して設計されてきた。低成長、経済縮小の時代に入った今、低所得層の実入りは確実に苦しくなっており、そこと均衡させれば生活保護基準も下げざるを得ない。

 もう一点は、厚労省が根拠とする「全国消費実態調査」の限界。調査期間や回収率、補正の必要性などの点で、信頼に値するデータとなっていない。

 この集会でのもうひとりの講演者である桜井啓太・名古屋市立大学准教授は、「最低賃金からみた生活保護基準引き下げの意味」について発言。生活保護が全国民の「最低限」であるのに対し、最低賃金は働く者の「最低限」を指し、両者は密接に関連している。生活保護が引き下げられれば、それにともなって最低賃金が引き下げられる可能性もある。

 桜井氏は引き下げに向けて、ストーリーがつくられ共有される流れがあったと指摘。本来は働く者が「健康で文化的な生活」をするための最低基準だった最低賃金が、厚労省中央最低賃金審議会において恣意的にゆがめられてきた実態を具体的に示した。

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