安くて早くて美味い――。三拍子揃った牛丼は、忙しいビジネスパーソンの強い味方だ。そのなかでも、御三家と評される吉野家、松屋、すき家に限っていえば、今まで一度も行ったことがないという人のほうが珍しいだろう。
我々の生活において、牛丼チェーン店はもはや必要不可欠な存在。特に男性であれば、心に“推し牛丼チェーン”を持っているだろうし、なかにはほぼ毎日牛丼を食べている人もいるかもしれない。だが、牛丼チェーンを真剣に比較検討したことのある人は、意外と少ないのではないだろうか。
そこで今回、牛丼チェーン御三家のレギュラーメニューを改めて食べ比べ、さまざまな観点から独断で「食べるべきメニュー」をピックアップした。
【吉野家の食べるべきメニュー】:牛丼 アタマの大盛/480円(税込、以下同)
「アタマの大盛」というのは、並サイズのライスに大盛りサイズの具を乗せたもの。2013年よりレギュラーメニュー化した新顔ながら、吉野家フリークの間では圧倒的な人気を誇るメニューである。
とにかく、気兼ねなく牛肉をかきこめる、という点が大きい。牛丼はある程度ペース配分をしながら食べないと、後半はタレのしみ込んだごはんのみを食べることになってしまうものだ。しかし、肉の量が多いアタマの大盛であれば、余計なことを考えずにかきこんでも、最後まで牛丼として楽しむことができるのが嬉しい。
ちなみに、松屋にもアタマの大盛は存在するが、適応されるのは普通の牛丼のみ。吉野家であれば、サラシア牛丼以外の牛丼と、すべての豚丼メニューでアタマの大盛を注文することができるため、牛丼や豚丼を気兼ねなく楽しみたいなら吉野家がおすすめだ。
【松屋の食べるべきメニュー】:カレギュウ(プレミアム牛肉使用)/並590円
牛丼チェーンながら、松屋のカレーは本格派として有名。なかには「カレー店」として松屋をカテゴライズするカレーマニアもいるそうだ。そんな松屋のオリジナルカレーと牛丼が合体したのが、この「カレギュウ」である。
まず驚くのが、カレーが非常にスパイシーであること。子供には不向きと思えるほどだが、大人の味覚にとっては食べ応えのある、絶妙な辛さ加減だろう。そこに牛丼のタレが加わることで、さながらおそば屋さんのカレーのような、日本人のDNAに訴えかける味わいへと変化するのだ。
ちなみに、松屋のプレミアム牛めしは、牛丼チェーン3社のなかでも群を抜いてうま味の強い味わいとなっている。本格派カレーとうま味の強い牛丼、この両者が合わさって生まれるカレギュウを食べられるのは、間違いなく松屋だけだろう。
【すき家の食べるべきメニュー】:わさび山かけ牛丼/並盛480円
すき家の特徴といえば、なんといってもバリエーション豊富な牛丼メニュー。そのなかから今回選んだのは、牛丼にとろろとわさびを乗せた意欲作「わさび山かけ牛丼」だ。
とろろが牛丼の味を阻害せずに心地よい喉ごしを生むため、スルスルと軽快に食べ進めることができる。そこにワサビの辛味が絶妙なアクセントとなり、ますます食欲を増進させるのだ。この季節だと夏バテで食欲がなくなってしまうこともあるが、そんなときでも食べられる牛丼である。
ちなみにこの手のトッピング牛丼にありがちな問題として、「トッピングが途中でなくなってタダの牛丼になる」ということのがあるが、とろろが絶妙に箸から滑り落ちるせいか、すくいすぎてしまうこともなく、最後までバランスよく楽しむことができた。
今回は牛丼大手3社の「食べるべきメニュー」を紹介した。次回は、「食べてはいけないメニュー」を紹介したい。
(文・取材=A4studio)