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絶好調・軽自動車、激化するシェア争いの舞台裏〜駆け込み需要切れで問われる各社の実力

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絶好調・軽自動車、激化するシェア争いの舞台裏〜駆け込み需要切れで問われる各社の実力の画像1「Thinkstock」より
 エコカー補助金の終了に伴う反動減で自動車の国内販売が低迷する中、低価格で燃費も向上した軽自動車は絶好調だ。

 日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)がまとめた2013年度上半期(4〜9月)の新車販売台数は、前年同期比1.7%減の254万5259台。2年ぶりに前年実績を下回ったが、登録車(普通車)と軽自動車で明暗が分かれた。軽自動車は4.2%増の102万42台と、年度上半期で初めて100万台の大台を突破。全体に占める軽の割合は40.1%に達した。軽を除く登録車はエコカー補助金終了の影響を受け、5.4%減の152万5217台にとどまった。2年ぶりのマイナス成長である。

 軽の13年9月の販売台数は、前年同月比25.4%増の19万8445台と爆発的に伸びた。3カ月連続で前年実績を上回り、9月としては過去最高となった。

 9月の軽の個別販売台数を見てみると、「N BOX」(ホンダ)が2万3723台で1位。以下、「ムーヴ」(ダイハツ)、「ミラ」(ダイハツ)、「ワゴンR」(スズキ)、「デイズ」(日産)、「スペーシア」(スズキ)、「アルト」(スズキ)、「タント」(ダイハツ)と続き、8位までが1万台を超えた。軽の人気ぶりをまざまざと見せつけた。下半期(13年10月〜14年3月)に入っても軽の勢いは止まらない。10月が同17.4%増の15万7082台となった。4カ月連続で前年実績を大きく上回り、9月、10月は月間で過去最高となった。

 ダイハツとスズキが激しいトップ争いを繰り広げている。9月はダイハツが首位だったが、10月はスズキが抜き返した。軽の1〜10月累計の販売シェアはダイハツが31.1%でトップ。これをスズキが29.6%、ホンダが19.1%で追っている。そして11月単月の販売台数は前年同月比20.7%増の18万971台と5カ月連続のプラス成長となり、1〜11月の軽の販売台数は前年同期比4.8%増の194万4246台となった。

 年間軽販売の過去最高は06年の202万台。13年の年間販売台数は12月が昨年並みでも207万台となる計算だが、ダイハツとホンダの新車効果で210万台に迫ると業界内ではみられている。

 軽の販売台数がこれほど好調な要因として、来年4月の消費税率引き上げ前の駆け込み需要が挙げられる。9、10月の記録的な増加は、軽自動車の増税論が浮上してきたことも一因だろう。6月に日産と三菱自動車が新車を投入した効果も大きく、競争の激化が軽の販売台数を押し上げた。

●台風の目、日産・三菱連合の動向

 日産と三菱自は6月、共同開発した軽ワゴン車をそれぞれのブランドで発売した。日産が「DAYZ(デイズ)」、三菱自は「eKワゴン」。11年6月に両社が共同出資で設立したNMKVから生まれたクルマの第1弾だ。

 日産は02年に軽に参入したが、三菱自やスズキからOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受けての参戦だった。他社に頼ったため、日産の昨年の登録車と軽の合計国内シェアは、ホンダはおろかスズキ、ダイハツにも抜かれて5位に後退した。今回の「DAYZ」は日産が企画段階から手がけた。軽の成否が日産の国内販売の行方を占う試金石となる。

 一方、リコール隠しなど経営問題を抱える三菱自の国内シェアはわずか2.6%と存在感はない。それだけに新しいワゴンに期待がかかる。

「DAYZ」と「eKワゴン」は順調な滑り出しをみせた。月間販売台数の目標は日産が8000台、三菱自は5000台だ。9月の販売台数は日産「DAYZ」は1万3800台で月販目標台数の1.7倍。三菱自「eKワゴン」は6338台で同1.3倍。「DAYZ」投入で日産の9月の軽の販売シェアは10.4%と2ケタを確保した。

BusinessJournal編集部

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