ビジネスパーソン向け人気連載|ビジネスジャーナル/Business Journal
編集部Mいわく「ちょっと炭酸強め」とのこと。
今週は、鮫肌文殊氏が、トクホに認定されたあの炭酸飲料の、その効果について聞いてみた。
[回答者]キリンビバレッジお客様相談室様
最近のテレビCMにおける昭和の名作アニメの使われ方に悲しい思いをしているのは、私だけではあるまい。『アルプスの少女ハイジ』の世界観で、いきなりアルムおんじやハイジが、スポンサーのご意向通りのコメントをしゃべったりする。
なんだろうなあ……。
例えは悪いが、学生時代にクラスのマドンナだった加藤菜々さん(仮名)がヘンな旦那に引っかかって、やむなく生活のために人妻風俗デビューを果たしてしまったのを知った時のなんともやり切れない気持ちっていうか。自分の胸の中にしまっておいた美しい思い出を「資本主義の豚ども」に蹂躙されてしまった感じっていうか。
「おいおい、ハイジも金のためなら何でもするってわけか!?」とツッコミのひとつも入れたくなる。
なんでそんなことが起きるかというと、ちょうど子供時代にそこらへんの昭和名作アニメに慣れ親しんできた人たちが40代も後半になってきて「実際にモノを買う世代」になったのが大きい。テレビの世界もそうで、最近やたらと昭和歌謡の名曲を歌いまくる特番が多いのもそこ。視聴率のボトムを構成する世代に直接刺さるからだ。安易っちゃあ安易なのだが、目のつけどころとしては正しい。
でもね。
だからといって、梶原一騎先生の超名作マンガのキャラクターたちのここ最近のCMでの道化っぷりときたらどうだ! 我らが星飛雄馬が、父ちゃんと一緒に、スマホにあんなに魂をセルアウトしていいのか? 親子で血の涙を流していたんじゃないのか、アンタたちは!
中でも一番悲しかったのが、例のトクホコーラの『あしたのジョー』のCMである。ボクサーの宿命である減量に耐えかねて夜中に屋台のうどん屋でうどんをすすっていたマンモス西を「見損なったぜ!」とどついたるねんしてたあの矢吹丈が、ライバル力石徹と死闘を繰り広げたジョーが、よりによってハンバーガーにフライドチキンを食いながら「トクホコーラがあれば大丈夫だぜ」的発言。そりゃ丹下段平もビックリするって。天国の梶原一騎先生は、そんなジョーを見てどう思うのであろうか? インパクトは抜群だが、札束で顔をひっぱたくのにも程があるよ。
で、今回のギモンは、そのジョーが金のために魂を売ったトクホコーラに関するギモンである。炭酸飲料でトクホ……かなり無理があるような気がするのだが。