長谷川豊氏
「フジ低迷の理由と背景」
「番組をつまらなくさせる元凶である、フジ上層部と芸能事務所のズブズブの関係」
「日本テレビとTOKYO MXが好調な理由」
などについて話を聞いた。
–ここ1~2年、長谷川さんの古巣であるフジの視聴率低迷が叫ばれていますが、原因はなんだと思いますか?
『テレビの裏側がとにかく分かる「メディアリテラシー」の教科書』(長谷川豊/サイゾー)
–腐りきっているというのは、具体的にどういう意味でしょうか?
長谷川 芸能事務所から素敵な接待を受けて、その事務所の利権のために動く人間が多すぎるという点です。残念なことですが、そこに視聴者への思いやりはない。気が付いたら、帯番組の司会者もこの事務所のタレントで、フジの代名詞でもある“月9ドラマ”(毎週月曜夜9時放送の連続ドラマ)の女優まで、みんな同じ事務所なの? ということになってしまう。
番組づくりが、まずは芸能事務所ありきで、それで出演者の人選が全部決まってしまう。制作現場は上から押し付けられるタレントを使うしかないので、不満がたまっていくという悪循環が続いています。
–そういう傾向は、いつ頃から顕著になってきたのでしょうか?
長谷川 う~ん……特にここから、というのはわかりませんが、それが度を越したのが、韓流モノを扱った番組が増えたことに一部から批判が集まった韓流騒動でした。その背景には、韓流コンテンツの版権を取ったある芸能事務所がフジの上層部に懸命の営業活動をし、その事務所はそもそも人気の高いアーティストや俳優を数多く抱えていたので、彼らに出演してもらうために韓流枠をつくっていったのが原因と聞いています。
そのような感じで芸能事務所と関係の深い人たちが人事異動で決定権を持つ上のポストに就くようになっていき、懇意にする事務所のタレントの起用を現場に押しつけるようになった。すごく根深い問題で、どうしようもないレベルです。