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すき家のワンオペ批判や労働者優位の傾向は“正しい”のか?外国人に職を奪われる日?

文=岡田和典/経営コンサルタント・大学院客員教授
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すき家のワンオペ批判や労働者優位の傾向は“正しい”のか?外国人に職を奪われる日?の画像1すき家のアルバイト募集(「すき家 HP」より)
 先月、牛丼チェーン最大手のすき家を運営するゼンショーホールディングスは、人手不足から店舗の約6割にあたる1167店舗で深夜営業を当面休止すると発表した。深夜(午前0~5時)に従業員1人で勤務する現状の体制、ワンオペレーション(ワンオペ)を解消するめどが立たないためだ。

 事の発端は4月ごろ、人手不足のため休業する店舗が一時約120店に上り、店舗に貼り出された「閉店のお知らせ」の写真を撮られ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などのインターネット上に次々と公開され、問題視する意見が増えたことだといわれている。

 閉店の最も大きな原因とされているのが、ワンオペだ。ネット上にはアルバイト従業員らによる「もう限界」「疲れた」「俺は今月で辞めるって(会社に)伝えたよ」「まじで(みんなで)同時退職しようぜ」などの発言が拡散され、3月下旬にはシフト表がツイッター上に流出していた。今の時代を象徴するように、まさにSNSから始まった今回の騒動であった。

 これまで安売り競争を繰り広げていた吉野家、松屋、すき家の大手牛丼チェーン3社は、4月の消費税引き上げに伴う価格改定で、牛丼並盛280円(税込、以下同)だった横並びが崩れ、吉野家は300円、松屋が290円への値上げを決定した。しかし、すき家は270円の価格設定を打ち出し“安さ”を売りに集客力を高める戦略を取った。しかし約4カ月後の8月27日、すき家も291円へ値上げするに至ったが、その大きな原因の一つが人件費の上昇だ。

 すき家の深夜アルバイトは時給1400円で高止まりしていたという。それでも人が集まらず、ワンオペなどの少人数の店舗運営でコストを切り詰めてきたが、それも限界に到達したということだろう。ちなみに筆者のオフィスの近く(東京・渋谷)の某外食チェーンでは深夜の時給が2000円を超えているところもある。

●深刻な人手不足

 現在、外食や流通、建築、運送業界などのアルバイト・パート従業員の人手不足は深刻な状況になっている。最近、筆者のクライアントの1社である大手物流会社でも、人手不足に陥っているという話を伺った。東日本大震災に伴う復興需要や東京電力福島第一原子力発電所の原発廃炉作業、これから本格化する大規模建設事業(2020年東京オリンピックやリニアモーターカー)など、建設関係に人材が流出し、さらに燃料費の高止まりなどもあり、まさに泣きっ面に蜂状態だという。

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