
●新イベントは「アナ雪」
映画興行収入250億円を達成し、『千と千尋の神隠し』(01年)、『タイタニック』(1997年)に次ぐ日本歴代3位となり、「2014年ヒット商品ベスト30」(「日経トレンディ」<日経BP社>発表)でも1位に輝いた『アナと雪の女王』。そんなアナ雪ブームを受けてか、東京ディズニーランドでは1月13日から3月20日にかけ、スペシャルイベントとして「アナとエルサのフローズンファンタジー」が開催されている。
イベントでは、世界観を前面に打ち出したアトラクションが展開されている。シンデレラ城へのプロジェクションマッピング、パレードでのエルサ、アナ、オラフの登場、園内の装飾と、空前のヒットとなったアナ雪を前面に押し出すのは、エンターテインメントの運営元(オリエンタルランド)としては当然のことだ。それだけの集客が見込めることの証しであり、集客が増えれば園内が盛り上がり、次回作への大きなブリッジにもなるからだ。
しかし、今回のオリエンタルランドの仕掛け方には違和感を感じる。それは、今までのディズニーイベントとは決定的に異なる一面を入れたことに起因する。具体的には、松たか子をはじめとするアナ雪の声優陣、歌手を呼んだことだ。
●ディズニーランドの最大の価値
そもそも、ディズニーランドのコンセプトは「夢の国」だ。どんな人も一歩足を踏み入れたら、現実社会のことは忘れてしまう。周りの人がまったく気にならず100%自分自身も夢の国の住人になれるというのが、ディズニーランドの醍醐味なのだ。それゆえ、前回と同じアトラクションしかなくても、9割以上の人がリピーターとして再来場しているのだ。この9割以上のリピート率というのは驚異的な数字だ。それを支えているのは特定のアトラクションではなく、「夢の国」という世界観なのだ。
●オリエンタルランドも脅威に感じ始めたUSJの躍進ぶり
赤字だったユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)。ハロウィン仮装、バックドロップなど数々の仕掛けによって、ここ数年でUSJ人気は大いに高まった。そして14年7月の「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」(以下、ハリポタ)の完成によって、人気は不動のものとなった。ハリポタエリアの完成度は素晴らしく、そのアトラクションの完成度の高さも日本一ではないかと筆者は感じている。関西エリアからの集客に成功しただけでなく、日本全国、そしてアジア圏からの集客にまで成功しているのだ。そして15年には、人気アニメ『進撃の巨人』を取り入れたアトラクションの展開を予定している。USJの注目度は、ますます高まるばかりだ。