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安倍政権の犬か、はたまた革新者か?銀行業界大再編の仕掛け人・佐久間氏とは何者?

文=編集部
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 地銀のニューリーダーとなった佐久間氏とは、どのような人物なのか。52年10月1日、千葉県木更津市に生まれた佐久間氏は、県立木更津高校から早稲田大学政治経済学部に進学し、卒業後の76年に地元の千葉銀行に入行。竹山正頭取のもとで東京都東部や茨城県南部への営業拡大を担った。竹山体制では取締役経営企画部長、取締役常務執行役員本店営業部長を歴任。竹山頭取が体調不良を理由に退任したため、09年3月に急遽、頭取に昇格した。

「『裸の王様』は一番避けなければならない」。佐久間氏は頭取に就任する際にそう自戒し、頭取就任後は副頭取制を廃止。同期入行の3人を取締役・専務執行役員として、営業、企画管理、審査の各ユニット統括長に任命するなど旧経営陣を一掃した。12年には全国地方銀行協会会長を務め、経済界の中枢へのデビューを飾った。

 佐久間氏が脚光を浴びたのは、安倍政権と歩調と合わせてきたからだ。金融庁は「地銀64行は25行程度まで集約されるべきだ」(金融筋)と考えている。想定しているのが、メガバンクに対抗する「巨大地域銀行」だ。米バンク・オブ・アメリカを成功モデルとしている。バンク・オブ・アメリカは80年代以降、次々と州内、州外の銀行を買収して、96年に全米3位の巨大銀行となった。

 金融庁の畑中龍太郎長官(当時)は14年1月中旬、全国地方銀行協会と第二地方銀行協会の会合で「業務提携、経営統合を経営課題として考えてもらいたい」「今年は答えを出す年にしてほしい」と迫った。

●地銀再編の起爆剤

 これに呼応したのが佐久間氏だった。全国の有力地銀9行が14年1月28日、「地域再生・活性化ネットワーク」を組み、北海道銀行、七十七銀行、千葉銀行、八十二銀行、静岡銀行、京都銀行、広島銀行、伊予銀行、福岡銀行の9行が参加した。将来的には、この連合が地銀再編の起爆剤となることを視野に入れているが、9行連合の旗振り役を務めたのが佐久間氏だった。千葉銀行は東邦銀行、第四銀行、北國銀行、中国銀行、伊予銀行と市場運用・国際業務でも連携した。

 こうして佐久間氏は、首都圏地銀再編のキーマンと目されるようになったが、同氏は15年1月5日付日本経済新聞で、千葉銀行について次のように語っている。

「預金10兆円、貸出8兆円で顧客との距離感も効率面もちょうどいい。地元を大事にして地元に根ざすという経営哲学は不変だ。東京市場の攻略も自前主義でいく」

 千葉県と東京都、埼玉県、茨城県の一部を“広域千葉圏”と位置付けているのが特徴だ。直近の10年間で千葉県外に10店を新設。点や線ではない面での営業店舗の展開を進め、中小企業と個人の取引の拡大を図っている。現在、大企業向けの3店舗を含め千葉県以外にも19店舗ある。

BusinessJournal編集部

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