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シャープ、悲劇的状況へ 再建策が八方塞がり、実質銀行管理下でも危機脱せず

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●不透明な産革機構の出方

 そこで浮上したのが産革機構の存在。しかし、同機構の出方も不透明だ。すでにJDIに出資している同機構にしてみれば、「なぜ今頃になってシャープにも出資しなければいけないのかというのが本音」(経済産業省幹部)。

 産革機構の事実上のトップである朝倉陽保専務取締役は外資金融畑を歩み、企業買収などを数多く手がけてきた。「お情けでカネを出す人物ではない」との評価だ。一部報道ではシャープ本体への出資も取り沙汰されているが、関係筋によると「不採算事業を数多く抱える本体への出資はありえない」という。

 分社化した新会社に出資するにしても、ハードルは低くない。産革機構が近年出資したルネサスエレクトロニクスやJDIの例を見ても、経営トップを据え替えるなど同機構側で経営をハンドリングできる体制が出資条件のひとつ。シャープは過半の株式を握りたいようだが、主導権にこだわり続ければ、交渉は暗礁に乗り上がる。

 シャープとしては出資を受けられなければ再建の絵は描けないが、過半の株式を握られたら、成長のエンジンが不在になる。本体に残された事業を育てる時間的余裕はなく、事業の切り売りに早晩踏み込まざるを得なくなるため痛しかゆしの状況だ。

●煮え切らないメーンバンク

 銀行主導とも揶揄される今回の構造改革だが、銀行側の煮え切らない態度も構造改革案がまとまらない一因になっている。全国紙経済部記者は「メーンバンクは昨年から役員を送り込んでいるにもかかわらず、このような危機を招いている。事実上の銀行管理下といわれていたが、まったくコントロールできていなかった」と指摘する。

 また、三菱東京UFJ銀行は、永易克典会長が法人担当役員や頭取時代に「シャープへの融資を、通常では考えられない速度で拡大した」(銀行関係者)。当時、栄華を極めていたシャープはみずほ銀行が圧倒的なメーンバンクだったが、永易氏が食い込んだことで並行メーンと呼ばれるまでに融資を積み上げた。永易氏もシャープへの個人的な思いがあるのか、前回の経営危機時も救済に奔走したという。「シャープ側には、永易さんが会長にとどまっている限り、メスは入らないと楽観しているフシがある」(前出記者)との見方もあるほどだ。

 シャープ、産革機構、銀行の思惑が錯綜する中、再建へのシナリオはどのように着地するのか。残された時間は多くない。
(文=黒羽米雄/金融ジャーナリスト)

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