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リノール酸を減らすことも重要
油の使い方のもうひとつのポイントは、オメガ6脂肪酸(リノール酸)の油を減らすことです。リノール酸には、炎症を促進する働きがあるからです。前出のシュレイ氏も、サラダ油やひまわり油、コーン油の摂取を禁止しています。特に試合前日は、それらで揚げたトンカツや天ぷら、また脂の多い肉類もNGで、魚を食べるべきだとしています。日本では、「試合に勝つ」というゲン担ぎとしてトンカツやカツ丼を食べ、それによってスタミナもつくと思われていますが、実は大間違いなのです。昨年開催されたラグビーワールドカップにおける活躍で注目されたラグビー日本代表の食事でも、トンカツは禁止されていました。一流のアスリートは、最新の情報と正しい油の使い方を取り入れた食生活をしています。菓子パンを供給していたオリックスは、見習うべきでしょう。
アスリート食は子供にも有意義
適度な炭水化物、野菜、魚、そしてオメガ3脂肪酸のアマニ油、えごま油を基本とするアスリート食は、成長期の子供にも最適です。近頃は幼少期からのスポーツが盛んですが、ケガの予防だけでなくオメガ3脂肪酸が豊富な食は心身の成長に重要な役割を果たします。たとえば、DHAは知能の発達にも効果を発揮します。魚が苦手な子供が多いようですが、骨も食べられるサバ、サンマ、イワシの缶詰にはDHA、EPAがたっぷり含まれています。サバの水煮缶1缶(190g)にはDHA、EPAが3~8gも含まれているため、家族4人で食べても充分なオメガ3脂肪酸が摂れます。
もはや食と運動をひとつのものとして取り組むのがアスリートの常識です。ゲン担ぎのトンカツより、オメガ3脂肪酸を多く含むサバ缶がアスリート食の本流といえます。
(文=林裕之/植物油研究家、林葉子/知食料理研究家)
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