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絶望の東芝:いわくつき人物の会長就任に強烈な拒否行動…「泥船」原発事業のめり込み

文=編集部
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絶望の東芝:いわくつき人物の会長就任に強烈な拒否行動…「泥船」原発事業のめり込みの画像1東芝の新社長、綱川智氏(つのだよしお/アフロ)

 世界の機関投資家に影響力を持つ米議決権行使助言大手2社が、東芝とタカタのトップ人事に反対推奨をしている。東芝の株主総会は6月22日、タカタは28日に開催される。

 インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は、東芝の綱川智代表執行役副社長の社長昇格に反対した。「旧経営陣の干渉を許し、会計不祥事を引き起こした企業文化を維持した責任を負うべき」としている。会社不祥事とは粉飾決算のことだ。綱川氏は、東芝のトップに君臨していた西室泰三元会長の影響を強く受けているということが、選任反対の本当の理由とみられているが、ISSはそこまで踏み込んだ言及はしていない。

 一方、グラス・ルイスは、綱川氏と、会長に就任予定の志賀重範代表執行役副社長の2人の社内取締役、また小林喜光氏ら6人の社外取締役(いずれも再任)の計8人の選任案に反対した。

 東芝の新会長に内定している志賀氏は“原子力村”の人だ。原子力技術部長を歴任し、東芝が米ウェスチングハウス(WH)を買収した2006年からペンシルベニア州に駐在し、WHの会長、社長を務めてきた。エネルギーシステムソリューション担当である。

 東芝は6月22日の株主総会後、WHの社長兼最高経営責任者(CEO)のダニエル・ロデリック氏を、かつては東芝の本流といわれた重電部門のトップ、エネルギーシステムソリューションの社長に起用する。

「若干グレーだが、原子力という今後の国策的な事業をやるには余人をもって代えがたい」――志賀氏を会長に選んだ東芝指名委員会委員長の小林氏は5月6日の記者会見で、このように感想を述べた。2013年、志賀氏がWHの会長だった時代に東芝はWHの損失を過少計上していた。志賀氏はこれを見逃した疑いが持たれている。

東芝、日立の原発部門統合を進める経産省

 経済産業省は東芝、日立製作所の原発部門を統合することを水面下で画策している。東芝と日立は原発導入の国策に沿って米ゼネラル・エレクトリック(GE)の技術をもとに沸騰水型原子炉(BWR)の製造を始めた歴史がある。東京電力の福島第1原発はBWRを採用しており、同原発で11年に事故が起きた後、国内の原発は順次停止し、海外も新設が進まない状況が続いている。

 WHが手掛けているのは加圧水型原子炉(PWR)の最新型だ。6月、WHはインドでPWRを 6基、新規受注する見通しとなった。東芝グループとしては東日本大震災後、初の本格受注となる。

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