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大江英樹「おとなのマネー学・ライフ学」

「老後への不安」の答え…結局、何歳分までをいくら蓄えておけばよいのか

文=大江英樹/オフィス・リベルタス代表
「老後への不安」の答え…結局、何歳分までをいくら蓄えておけばよいのかの画像1「Thinkstock」より

“わからないこと”に対する不安

 老後が不安だという人は多い。というよりも、「老後は不安じゃない」などという人は、恐らくほとんどいないでしょう。その不安の多くはお金に関することです。

 私は、経済的な理由で老後が不安だという人のほとんどは、“わからないこと”に対する不安ではないかと思っています。

 何がわからないのか?

 要するにどれくらいお金を用意していればよいかがわからない、ということです。確かに「これだけ用意していれば安心」という金額がわかっていれば、それほど不安になることはありません。

 ではなぜ、“どれくらいお金を用意すればわからない”のでしょうか。それは「年金がいくらもらえるかわからない」、そして「いつまで自分が生きるかわからない」という2つの理由からくるものです。

 最初の「年金がいくらもらえるかわからない」ということですが、これは「ねんきん定期便」を見ればわかります。年金の加入記録問題が明らかになってから、すべての年金加入者にこの「ねんきん定期便」が毎年送られることになりました。以前から考えれば、これは画期的なことなのです。にもかかわらず、多くの人はこれを見ていません。自分の年金がいくらもらえるのかちゃんと書いてあるのに、それすら見ないで「年金は不安だ」といってもしょうがありません。まずは「ねんきん定期便」を見て確認するところから始めるべきです。

 人によっても違いますが、サラリーマンの場合でいえば、ざっくり平均寿命まで生きた場合にもらえる金額は今の貨幣価値で大体5000~6000万円くらいです。公的年金は物価連動ですから、将来少しぐらいインフレになっても金額は増えていきます。もちろん今は完全な連動ではありませんが、それでもある程度は連動していきますので、年金というのは基本的にはそれほどインフレに弱いわけではありません。

何歳まで用意すればよいか?

 では2つ目の不安です。「いつまで自分が生きるかわからない」から必要とする費用もわからない、だから不安だ、ということですね。これは本当にわかりません。いつまで生きるかは神のみぞ知るです。

「100歳まで生きても大丈夫なようにお金を用意しておいても、70歳で死んでしまったら?」「100歳以上生きたらどうなるの?」

 考え出すとますます答えはわからなくなります。

大江英樹/経済コラムニスト

大江英樹/経済コラムニスト

1952年、大阪府生まれ。野村證券で個人資産運用業務や企業年金制度のコンサルティングなどに従事した後、2012年にオフィス・リベルタス設立。日本証券アナリスト協会検定会員、行動経済学会会員。資産運用やライフプラニング、行動経済学に関する講演・研修・執筆活動を行っている。『定年楽園』(きんざい)『その損の9割は避けられる』(三笠書房)『投資賢者の心理学』(日本経済新聞出版社)など著書多数。
株式会社オフィス・リベルタス

Twitter:@officelibertas

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