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猛暑、8月も続く見通し…日本の夏、30~40年前より、こんなに暑くなっていた!

文=編集部、協力=桐谷景子/ウェザーマップ所属気象予報士
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30℃以上となる時間数が2倍に

 そこで気象情報提供会社ウェザーマップの気象予報士、桐谷景子氏に話を聞いた。

――現在の日本の夏期は40~50年ほど前と比較して暑くなっているというのは、事実なのでしょうか。また、その原因はなんでしょうか。

桐谷氏 事実です。地球温暖化が主な原因だと考えられますが、東京など大都市は、ヒートアイランド現象による気温上昇も加わっていると思われます。50年前に比べて、大都市圏では、緑地が減って、熱を溜めやすいアスファルトやコンクリートが増えたこと、建物や工場、自動車などの排熱が増えたこと、密集した建物によって、相対的に涼しい海風が内陸にまで届かなくなったこと、ビルが増えたことによって、空に逃げる熱量が減ったことなどが挙げられます。

――具体的に、どれくらい暑くなっているのでしょうか。

桐谷氏 世界の平均気温は、ここ100 年で約0.69℃上昇していますが、東京や名古屋など、日本の大都市の平均気温はこの100 年あたりで3.0℃上昇しており、世界平均を大きく上回っています。最高気温より最低気温のほうが顕著ですが、1990年代以降、高温となる年が頻出しています。東京周辺で30℃以上となる時間数は、1980 年代前半には年間200 時間程度でしたが、2000年に入ると約2倍になり、その範囲も郊外へ広がっています。

――将来的なトレンドとして、ますます暑くなっていくと推察されるのでしょうか。

桐谷氏 地球環境は、太陽活動や火山の噴火などとも関連があるため、年による変化は大きいと考えられます。ただ、長期的に見て、何も対策をしなければ、地球温暖化やヒートアイランド現象がさらに進むことが予想されます。

 気温が上がり続けると、局地的大雨の頻発、熱中症患者数の増加、夜間も30度以上の高温が続く、いわゆるスーパー熱帯夜の増加、台風の強大化、生態系の変化の可能性などがあり、日常生活への影響は計りしれません。

――今年の夏、現在の暑さはいつ頃まで続くと予想されるのでしょうか?

桐谷氏 今年は、7月中旬から40℃以上を観測したり、全国の2割以上の地点で35℃以上の猛暑日となるなど、早い時期から猛烈な暑さになっていて、すでにうんざりしている方も多いと思います。先日(19日)気象庁から発表された最新の1カ月予報によると、沖縄・奄美を除き、8月中旬にかけては、晴れて気温が平年より高い予想となっています。特に、8月のはじめにかけては、東・西日本でこの猛烈な暑さが続く恐れがあります。8月中旬になると、平年並みか高いくらいになりますが、今の猛烈な暑さよりワンランク下がるくらいで、夏の厳しい暑さが続く事に変わりありません。また、8月下旬から9月上旬に、再び暑さのピークがやってくると予測するデータもあって、今年は残暑も厳しくなりそうです。
(文=編集部、協力=桐谷景子/ウェザーマップ所属気象予報士)

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