脱ジーンズの流れが加速か

 こうした流れを受け、ライトオンと同じくボトムスが生命線のジーンズメイトは、18年3月期からボトムスの割合を減らしてトップスや小物の割合を増やす戦略に舵を切った。17年2月期までのボトムスの販売比率は概ね30%程度だったが、18年3月期は26%にまで低下した。トップスや小物の販売を強化することで業績回復を図る考えのようだ。

 これはおそらく、RIZAPグループがジーンズメイトの親会社になったことが影響したのだろう。業績不振に陥っていたジーンズメイトを17年にRIZAPが傘下に収めて経営改革、店舗改革を進めてきたが、そのひとつが非ボトムスカテゴリーの販売を強化することだったとみられる。

 マックハウスは10年代初頭から“脱ジーンズ”に動きだしている。たとえば、12年から、ジーンズが少なくトップスが充実したカジュアル衣料品の新業態「ブルーベリー」の出店を始めた。これは、先述した09年に起きた低価格ジーンズブームを受けてのことだろう。

 ライトオンもトップスの強化が必須といえる。ユニクロなど低価格のカジュアル衣料品チェーンが台頭したことで、ライトオンのトップスは価格と品質の両面において競争優位性が相対的に低下していったわけだが、一方で高価格のジーンズが売れないからこそ伸び代があるトップスの重要性が高まっているといえる。そのため、トップスの優位性低下を放置しておくことはできないだろう。

 そうしたなか、ライトオンは18年8月期下期から、売り場のコンセプトを、陳列量を重視する「ジーンズショップ」から提案型の「ジーンズセレクトショップ」へ転換するという売り場改革を始めた。プライベートブランド(PB)を強化して商品力を高めるとともに、在庫量を抑制し、ブランドやテーマに沿った提案型の売り場に変えていくとしている。

 いずれにしても、ボトムスの販売を増やすにはトップスの充実も欠かせない。トップスが充実すれば、ボトムスとの組み合わせ販売が促進され、トップスだけでなくボトムスの販売も伸びる。そのためにはライトオンが始めた提案型の売り場は大きな役割を果たす。これによりトップスとボトムスのコーディネート提案がしやすくなるだろう。遅きに失した感は否めないが、新たな品揃えと進化した売り場に期待したいところだ。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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