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鴻海の対中国戦略に利用されるシャープ…国内生産の中国移転が加速か

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シャープ本社(「Wikipedia」より)

 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業とシャープは、中国広東省の珠海市に最新鋭の半導体工場を新たに建設すると報じられた。ホンハイは、世界的なIT先端企業として着々と戦略を実行している。そのなかで今後、シャープはどのような役割を果たすのか、同社の歩む道は必ずしも平たんではないだろう。

 空気清浄機の「プラズマクラスター」をはじめ、シャープは多くの人になじみのある企業だ。ただ、現在、同社はホンハイの子会社である。社名は従来のままだが、同社の経営は従来の発想とは大きく異なる。シャープの経営陣には、ホンハイの創業者であり猛烈な経営手腕で知られる郭台銘(テリー・ゴウ)氏の薫陶を受けた人物が就任している。

 事実上、シャープの経営に関する意思決定権はホンハイにある。この経営のもと、かつてわが国を代表する電機メーカーであったシャープが生み出した液晶関連等の技術は、ホンハイの対中投資戦略のために用いられている。ホンハイの経営計画が、シャープの行く末を決めるといっても過言ではない。

成功体験を捨てられなかったシャープ

 
 2000年代に入ってからのシャープの経営を振り返ると、“過去の成功体験”に執着してしまった代償はあまりに大きかった。かつて、シャープはわが国を代表する花形企業だった。2000年代前半、「亀山モデル」で知られる同社の液晶テレビ「アクオス」は、世界のテレビ市場で10%超のシェアを誇った。

 テレビ画面が大型化するなかで、アクオスの画質の美しさはほかのメーカーの製品にはない優位性と考えられた。実際に、米国など世界の消費者からの支持も高かった。シャープはこの成功に浸り、テレビ(完成品)を国内で生産し輸出するビジネスモデルの強化にこだわった。

 その結果、2006年には3500億円の資金を投じた亀山第2工場が稼働した。2009年には4200億円をかけて堺工場が稼働した。シャープが生産能力の引き上げに取り組んできた間、世界の家電市場では大きな変化が進んだ。特に、韓国や台湾では政府が特定の企業や産業の競争力向上を積極的に支えた。その結果、韓国のサムスン電子やLGなどが規模の経済効果を発揮して、テレビをはじめとするエレクトロニクス市場でシェアを伸ばした。

 シャープはこうした環境の変化に適応することができなかった。その理由は、さまざま指摘されている。そのなかで焦点を絞ると、経営陣がアクオスの成功体験に浸り、「自社の技術力さえあれば競争は優位に進めることができる」と過信したことが大きかったはずだ。

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