早稲田・MARCHら有名私立大学、一斉に合格者実質減の理由…地方の文系私大は存亡の危機

早稲田大学の大隈講堂(「Wikipedia」より/Arabrity)

 大学経営に強い逆風が吹いている。少子化にもかかわらず大学の数は増えており、今後は淘汰が加速していくことになりそうだ。もはや、各大学のサバイバル戦略は待ったなしといえる。

 昨年11月に『大学大崩壊 リストラされる国立大、見捨てられる私立大』(朝日新書)を上梓した教育ジャーナリストの木村誠氏は、大学崩壊の理由について4つのポイントを挙げる。「近年、定員割れを防ぐために大学のスモール化が進んでいる。淘汰されないためには、地域連携や大学改革がカギとなる」と語る木村氏に話を聞いた。

大学が大崩壊する4つの根拠

――本書で「大学の崩壊が始まった」と主張されていますが、その根拠について教えてください。

木村誠氏(以下、木村) 大学崩壊の主な要因は「18歳人口の減少」「4年制大学の増加」「大学財源の減少」「大学教育と社会的ニーズのズレ」の4点です。

 まず、少子化により、2018年から大学を受験する学生が大きく減少する「2018年問題」が本格化しています。一方で、学生数が減っているにもかかわらず大学の数は増えています。そして、これが最大の要因ですが、大学向けの国家予算が減少しています。国立大学は運営費交付金が、私立大学は私学助成金が、それぞれ減少しています。その結果、大学の財政基盤は脆弱になり、財政状況が逼迫化しているのです。

 対策として、私立大学は学費を上げて運営費をまかない、国立大学は非常勤講師を増やしたり研究・教育費のリストラをしたりしています。今や大学も市場競争にさらされ、地の利を得るところにお金と人が集まっているのが実情です。

 特に苦境なのが、教育系や人文科学系など文系の地方の単科大学です。これらの大学は必ずしも企業が喜ぶような研究をしているわけではなく、他大学と比べて科研費など競争的資金の獲得において不利な立場です。昨今の国立大学文系不要論も「大学では企業が求めるスキルのある人材を養成すべき」との風潮が背景にあり、文部官僚の中には以前から「旧帝大系を除き、人文系学問を国立大学でやる必要はない」という意見がありました。

 今や4年制大学の進学率は55%になりますが、そこで行われる大学教育が社会的ニーズに対応していないという問題があるわけです。

――実践的な職業教育を行う専門職大学については、どうお考えですか。

木村 教育と企業のニーズをマッチさせるために、文部科学省は専門職大学において「実務家教員の登用促進」を提案しました。実務家教員とは「専攻分野における実務の経験を有し、かつ、高度の実務の能力を有する者」と定義されており、いわば企業から大学へ人材を流出させる仕組みです。しかし、この人手不足の時代に企業が優秀な人材を手放すはずがありません。定年間近で古い技術しかないようなエンジニアなら企業も手放すかもしれませんが……。つまり、専門職大学も矛盾を抱えてしまっているのです。

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