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びっくりドンキー、顧客満足度2位の“当然の理由”…味と品質への常軌を逸したこだわり

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

食材の鮮度にもこだわり

 さらに、食材の鮮度にもこだわっている。

 トヨタ自動車が提唱・実践し世界的に注目を浴びた「必要な物を、必要な時に、必要なだけ生産する」ことを理念とした「ジャスト・イン・タイム(JIT)生産方式」を取り入れ、食材を必要な時に、必要な分だけ、店舗に配送するようにしている。

 食材の加工は、北は北海道から南は沖縄まで、全国8カ所にある一次加工工場で行っている。

 ハンバーグのパティは、各店舗の翌日の需要予測に基づいて必要な量だけを工場で製造。その日、または翌日には店舗に配送している。冷凍はせず、チルドの状態で配送する。各店舗への配送は毎日行っている。それにより、保存料などの添加物を不要にしているという。

 ハンバーグと共に提供されるサラダに使われるカット野菜は、JIT方式が徹底されており、店舗に到着する時刻から逆算して製造を始める。必要な量を必要な分だけ必要な時につくっているのだ。

 びっくりドンキーでは、こうしたこだわりの食材を使ったハンバーグメニューが好評だ。「レギュラーバーグディッシュ」は、創業当初から販売している定番のハンバーグメニューとして人気を博している。木でできたプレートにハンバーグとごはん、大根やレタス、ミニトマトなどで構成されたサラダが盛り付けられた一皿だ。価格は店舗によって異なるが、たとえば、新宿靖国通り店(東京都新宿区)ではハンバーグ150グラムで税込み797円、新札幌デュオ店(札幌市)では同667円となっている。

 ハンバーグメニューはトッピングを加えたものが多数あり、カレーがかけられたものや、目玉焼きが載ったもの、チーズで覆われたものなどがある。サイドメニューやドリンク、デザートなどもあり、先述のビールとコーヒーも販売している。

 こうしたこだわりのハンバーグを提供していることが、高い顧客満足度につながっているといえる。

社会的な貢献

 ほかにも、地球環境を考えた取り組みを進めてきたこともイメージアップに大きく寄与してるだろう。

 びっくりドンキーは、96年に生ゴミのリサイクルの研究に着手。店舗で出る調理クズや食べ残しなどの生ゴミを肥料に変え、それを提携する農場で使用、それで育った野菜を店舗に送って食材として使う、という取り組みを行っている。また、家庭で出る使用済み天ぷら油を回収して、店舗で使用し終わった油と合わせてリサイクルする取り組みも行っている。

 びっくりドンキーはこういった取り組みが評価され、「平成21年度食品リサイクル推進環境大臣賞」の最優秀賞を受賞した。ほかにもさまざまな環境対策などの取り組みを行っている。CSR(企業の社会的責任)の重要性の高まりが叫ばれるなか、同店のそういった取り組みも顧客に評価されているポイントだろう。

 これほどの活動を行っている飲食チェーンを、筆者はほかに知らない。顧客満足度が高いのも頷ける。今後のさらなる活躍に期待したい。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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