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日立製作所、重電企業から巨大IT企業へ変貌…“ルマーダ最重視”経営で容赦なきグループ解体

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「Wikipedia」より

 日立製作所は、親子上場の解消に向けて動き出している。親子上場は日本特有の資本政策だ。以前から批判的だった海外勢に加え、国内の機関投資家も「少数株主の利益にかなう統治構造なのか」と、厳しい目を向け始めた。親子上場銘柄に投資しない海外の投資家も増えている。親子上場が、株価が上がらない一因ともなっている。企業集団にとっては、親子上場の解消が大きな経営課題として浮上してきた。

 日立製作所と半導体装置の日立ハイテクノロジーズ、建設機械の日立建機、特殊鋼の日立金属、電子・自動車部材の日立化成の上場子会社4社は、代表的な親子上場解消銘柄である。

 6月7日の東京株式市場で、日立ハイテクノロジーズ株が買われた。親会社の日立製作所が「完全子会社化を検討」との一部報道を受けて、注文が殺到。制限値幅の上限(ストップ高水準、700円高)で比例配分となった。公開買い付け価格のプレミアム(上乗せ)への期待感からだ。株価は前日終値比14.7%高の5450円へ急騰した。週明けの10日は先週末比370円(6.8%)高の5820円まで買われた。

“思惑買い”はほかの日立系の銘柄にも及んだ。6月7日、日立建機は3%高、日立金属の上昇率は4%を超えた。「親子上場解消」銘柄は買いなのだ。

 日立製作所は、かつて多数の上場銘柄を抱えていた。2009年3月期に、製造業で過去最大の7873億円の最終赤字を計上してから10年 、聖域なき再編を進めている。ここ数年間でも、16年に日立物流の株式をSGホールディングスへ譲渡。日立キャピタルの株式を三菱UFJフィナンシャル・グループに売り渡した。17年、日立工機と日立国際電気をコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却。19年、クラリオンを仏フォルシアにトレードした。リーマンショック直後に19社あった上場子会社は4社を残すのみとなった。

「ものづくり」からデジタルで稼ぐ会社に変身

「あらゆる場面で、(子会社などの)資本構成を見直していく」

 日立製作所の東原敏昭社長兼CEO(経営最高責任者)は、5月10日に開いた新3カ年中期経営計画の発表会見で、親子上場の解消を宣言した。

 22年3月期までの中期経営計画では、19年3月期に9兆4806億円だった連結売上収益を年率3%伸ばし、3年後に10兆円以上とする。7549億円だった連結営業利益は1兆円を目指す。8.0%の売上収益営業利益率を10%超に引き上げる。

 あらゆるものがインターネットにつながるIoTが柱となる。日立製作所は16年から「ルマーダ」という名称でIoT事業を開始。センサーなどで収集したデータを分析することで顧客の業務を効率化し、対価として手数料を受け取る。工場の自動化を背景に需要が増加し、ルマーダの売上高は1兆円規模になった。東原社長は「(担当部門から)3年後に売上高で1兆6000億円の目標が出てきたが、2兆円にしようとハッパをかけている」と意気軒昂だ。

 今後3年間でIoTやインフラ関連を中心にM&A(合併・買収)に最大2兆5000億円を投じる。IoTとの結び付きが強い事業をグループに取り込み、「ものづくり」中心の会社からデジタルで稼ぐ会社に転換する。

 IT(情報技術)を軸として関連事業に経営資源を集中しながらグローバル展開し、独シーメンスや米IBMと戦える企業を目指す。同時に、利益率重視の経営を明確にした。売上収益営業利益率を22年3月期に10%以上とする目標を掲げる。営業利益率が5%以下の事業は再編の対象となる。4つの上場子会社についても、今後3年以内に方向性を決める。

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