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堀江貴文氏がフジ株式取得、経営に関心か…20年前のフジvsライブドア攻防戦

文=Business Journal編集部
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フジテレビ(「Wikipedia」より/Kakidai)

 実業家の堀江貴文氏は17日、タレントの中居正広さんのトラブルをめぐり揺れるフジテレビジョンの親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)の株式を取得したと発表した。堀江氏が社長を務めていたライブドアは2005年、フジテレビの経営への関与を目的に筆頭株主(当時)だったニッポン放送の株式の過半数を取得して経営権を得た。「ライブドアvs.フジテレビ」の攻防は連日にわたり大きく報じられ世間を騒がせたが、結局、ニッポン放送はホワイトナイトとして登場したSBIホールディングスにフジテレビの株式を貸すことになり、ライブドアはニッポン放送株をフジテレビに譲渡することで合意。加えてフジテレビが、ライブドアが実施する第三者割当増資の440億円を引き受けてライブドアに資本参加することで合意し、この「和解」の結果、ライブドアは1400~1500億円程度を受け取ったとされる。あれから約20年が経過した今、再び堀江氏がフジの経営に目を向けていることに注目が集まっている。

 フジテレビの港浩一社長ら経営陣は17日、一部で報じられている、社員であるアナウンサーをタレントなどへの接待に同席させていた問題などをめぐり会見を実施。同局は、番組にレギュラー出演する中居さんが女性との間でトラブルを抱えていることを2023年6月の段階で把握していたが、中居さんが出演する番組を継続させていた。中居さんと女性とのトラブルに同局の幹部社員が関与していたと報じられている点について港社長は、関与していないとの認識を示した。港社長自身が過去に外部の関係者との接待の席にアナウンサーを呼んで同席させていたという報道については「アナウンサーとかいますし」「基本、自由参加」などと説明した。

 今回の会見で問題視されている点は大きくは2点。まず、出席するメディアを記者会見に加盟する社に限定し、さらに会見の模様の映像の撮影を禁止した点。もうひとつは、これから立ち上げる調査委員会について、日弁連の定義に基づく第三者委員会の形態ではなく、委員の人選はフジテレビが行うとしている点だ。フジテレビは「独立性、専門性が高い人を選ぶため、客観性と透明性も担保される」としている。

「港社長はフジテレビの黄金期に番組責任者として現場のど真ん中にいた人。日常的にスタッフやアナウンサー、タレント、芸能事務所幹部などを交えた会食をやってきたわけで、本人の記憶にあることもないことも含めて、当時は当たり前だったが現在の社会的基準ではアウトなことは、いくらでもあるだろう。それは港社長に限らず、当時のテレビ局の人間であれば多かれ少なかれ同じようなことがいえる。今回の件はもはや一タレントと一社員に限ったことではなく、全社的な体質や慣習の問題となっており、完全に外部の第三者委員会の調査が入ると、多くの幹部社員の日常的な行動も含めて洗いざらい調査・公表されることになり、会社として収拾がつかなくなる。それゆえに、あえて批判を覚悟で映像撮影禁止や厳密な意味での第三者員会の設置の回避という方法をとったのだろう」(キー局管理職)

「堀江氏がフジの社長になったら面白い」

 そんなフジテレビの経営に関心を寄せ始めているとみられるのが堀江氏だ。前述のとおりライブドアは05年、「インターネットと放送の融合」を掲げてフジテレビの経営に関与をすべく、時間外取引を利用してニッポン放送の株式を買い進め、同年2月にはニッポン放送株の35%を取得。翌3月にはニッポン放送株の過半数を取得したが、SBIの登場もあり、同年4月にはライブドアとニッポン放送は資本提携と業務提携等について基本合意を締結。これによりライブドアは保有するニッポン放送株をフジテレビに譲渡するかたちとなった。

 その堀江氏が今月17日、フジHDの株式を取得したことを明かした。堀江氏は自身のX(旧Twitter)上で次のように指摘している。

<東宝とか電通とかの仲間内サラリーマン経営陣企業は資本効率など関係ないので現体制を維持することに汲々とするわけだけど、投資ファンドからすればこういうスキャンダルでもないと現経営陣をキックアウトできないのでどんどん攻めてくるよねぇ>

<実際サラリーマン経営陣追い出して、資本効率の悪い不動産ビジネスを売ってコンテンツビジネスに集中してサブスクとかも伸ばしていけばそれなりのいい会社になると思うんだよな。不動産売却収入だけでも元が取れてお釣りが来るしな>

 また、<これで決算期である3月末の株主名簿に名前が載ることになるので、基本的には株主総会の参加ができるようになる>とも綴っているが、キー局管理職はいう。

「フジは結局は日弁連の定義に基づく正式な第三者委員会による調査をやらざるを得なくなり、その結果、社長はじめ多くの幹部社員は辞任して経営が混乱するだろう。もともと視聴率が低迷していたうえにスポンサー離れも進む可能性があり、フジの経営は当面厳しくなる。それなら、いっそのこと堀江氏のようなテレビ局の論理に染まっていないプロ経営者に経営を任せたほうが、長期的に見ればフジの延命につながるのではないか」

 デジタルマーケティング会社のプロデューサーはいう。

「ライブドアがフジに買収を仕掛けた20年前と異なり、今はスマホが普及して携帯電話で普通にネット動画が視聴できる環境にもなっており、ネットと放送の融合という意味では今のほうが、より多くの選択肢と可能性がある。それだけに、あくまで“if”の話だが堀江氏がフジの社長になったら面白いのではないか」

(文=Business Journal編集部)

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