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不正発覚で真逆の結果…SUBARUは社長引責辞任で大幅増益、修会長居座るスズキは大幅減益

文=編集部
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スズキ・鈴木修会長(つのだよしお/アフロ)

 遅ればせながら、自動車メーカーの4~6月決算を振り返ってみる。特筆すべき点は、検査不正が相次いで発覚した自動車メーカーの対応が分かれたことだ。

 SUBARU(スバル)は2018年6月、吉永泰之社長が引責辞任し、代表権のない会長に退いた。他方、スズキは鈴木修会長が1年間無報酬とした。鈴木俊宏社長は賞与を辞退し、半年間、月額報酬を50%減額した。スズキは経営陣の報酬を減らしただけで、経営責任は明確にしなかった。

 SUBARUとスズキの決算は、経営のありようの写し鏡となった。

 SUBARUの19年4~6月期連結決算(国際会計基準)は、売上高に当たる売上収益が前年同期に比べて16%増の8334億円、営業利益は48%増の922億円、純利益は40%増の664億円。大幅な増収増益となった。

 SUBARUの株価は9月17日、約4カ月ぶりに年初来高値を更新し3139円をつけた。年初来安値(1月4日)の2227円から41%上昇した。検査不正や部品の不具合で1000億円超の費用を計上した19年3月期から業績は大きく反転。株式市場は「SUBARU復活」と受け止めた。

 一方、スズキの19年4~6月期連結決算(日本会計基準)は、売上高が前年同期比8%減の9075億円、営業利益は46%減の626億円、純利益は53%減の405億円。大幅な減収減益だった。

 決算発表翌日の8月6日、スズキの株価は年初来安値の3501円に沈んだ。年初来高値(1月21日)の5986円から41%下落した。

 SUBARUとスズキの決算はコントラストが鮮やかだったが、業績が悪化したのはスズキに限ったことではない。自動車大手7社のうち5社の連結純利益は前年同期比でマイナスとなった。新興国の景気の減速で中国やインド、東南アジアで販売が落ち込んだことが響いた。円に対して新興国の通貨安も逆風となった。

【自動車大手7社の連結純利益】(19年4~6月期)
・トヨタ自動車 6829億円(前年同期比4%増)
・本田技研工業(ホンダ) 1723億円(同29%減)
・日産自動車 63億円(同94%減)
・スズキ 405億円(同53%減)
・マツダ 52億円(同75%減)
・SUBARU 664億円(同40%増)
・三菱自動車 93億円(同67%減)

SUBARUは米国市場で堅調

 純利益の伸び率では、SUBARUが際立って高い。最大の市場である米国で、スポーツ用多目的車(SUV)「レガシィ アウトバック」が絶好調だったことが寄与した。

 アウトバックは4輪駆動で、オフロードも力強く走破できるSUVの上位車種。走行性能にこだわる“スバリスト”(スバルの車を愛する人々の意味)をターゲットにした車だ。

 アウトバックなどSUBARU車の4~6月期の米国販売台数は約18万台。前年同期に比べて20%も増えた。ゼネラル・モーターズ(GM)など“ビッグ3”は合計で新車販売台数が2%減り、日本車全体も3%減っただけに、SUBARUの“快速”ぶりが鮮やかだ。

 SUBARUは、販売台数を追わず、趣味性の高いユーザを味方につけるクルマづくりを行っている。米国のスバリスト向けに絞り込んだ作戦が、一人勝ちにつながった。

BusinessJournal編集部

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