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小林敦志「自動車大激変!」

新型RAV4が空前のヒット…販売台数1位、カローラ&シエンタら“トヨタ車同士”の争いに?

文=小林敦志/フリー編集記者
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トヨタの「RAV4」(「トヨタ RAV4 | トヨタ自動車WEBサイト」より)

 本連載前回記事で、自販連(日本自動車販売協会連合会)および全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から発表された、2019年9月の新車販売台数統計、19事業年度締め上半期(19年4~9月)の販売台数を基に、ホンダ「N-BOX」をはじめとする人気車の事情についてお伝えした。

 4月に新型を発売し国内市場に復活以降、好調な販売を続けているのがトヨタ自動車の「RAV4」だ。同車は海の向こうのアメリカでも大ヒットが続いており、南カリフォルニアの新車販売事情に詳しいA氏は「SUVがブームといわれて久しいですが、今までは都市向けを意識して丸みを帯びたモデルが多く、人気も高かったのですが、ここのところRAV4のような“角張った”モデルが注目されてきました。RAV4は、その流れにうまく乗っているようです」と分析してくれた。

 アメリカではRAV4の好敵手としてホンダ「CR-V」が販売競争を繰り広げているが、同車は日本国内ではRAV4の14%ほどしか売れていない。RAV4の月販目標台数3000台に対し、CR-Vは1200台となっている。19年度上半期のCR-Vの販売台数は5416台。月販平均販売台数は約902台なので、目標販売台数に対して極端な販売不振といった状況ではない。ホンダ「ヴェゼル」が19年度上半期で前年同期比101.6%と好調に売れ続けているので、ヴェゼルがCR-Vを食ってしまっている状況となっていることも影響しているようだ。

 RAV4は19年度上半期の平均月販台数は約6659台と、目標販売台数に対してダブルスコア以上に売れている。RAV4登場まで好調に売れていたトヨタ「C-HR」が、10月にマイナーチェンジを控えていたとはいえ、19年度上半期は前年同期比69%となっているので、RAV4がC-HRを食ってしまったともいえる。ライバルなのでCR-VはRAV4に比べて極端にボディサイズが大きいわけでもなく、実際運転してみると、北米で販売中核モデルであるだけに良くできている。

 ただ、標準装備品の差などもあり、単純比較はできないものの、RAV4のスタート価格が265万6500円なのに対し、CR-Vは329万100円となっている。日本では“見た目価格”が重視されてしまうので、セールスマンが装備などの違いを説明しても、「高いなぁ」という印象を持たれることも多く、これがRAV4より不利に働いているようにも見える。

 また、ホンダの販売現場は“とにもかくにもN-BOX”という印象が強く、9月を見れば、N-BOXを月に約2.8万台販売し、登録車では「フィット」や「フリード」の販売が目立つなかでは、CR-Vのような価格帯のクルマが“売りにくい”環境であるともいえる。また、セールスマンに余裕がないこともCR-Vの販売伸び悩み傾向に結びついているように見える。

軽自動車はN-BOX一強時代が続く

 19暦年締め(19年1~12月)の年間販売台数や、19年度締め下半期(19年10月~20年3月)の販売台数では、9月単月のトヨタ「プリウス」の失速傾向を見ると、登録車についてはトップ争いでは群雄割拠の“戦国時代”が続きそうである。

 今後の見どころとしては、シリーズ(セダン、ツーリング、スポーツ)合算で9400台の月販目標台数を設定しているトヨタ「カローラ」の動き。今までとキャラクターを大きく変えているのでなかなか読みにくい部分があるだけに、“大化け”する可能性も高く、瞬間風速的に登録車で販売トップとなる可能性も、期待を込めても十分ありそうだ。

小林敦志/フリー編集記者

小林敦志/フリー編集記者

1967年北海道生まれ。新車ディーラーのセールスマンを社会人スタートとし、その後新車購入情報誌編集長などを経て2011年よりフリーとなる。

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