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工藤貴宏「幸せになるためのクルマ選び」

東京モーターショー、来場者激減のおかげで“家族でメチャクチャ楽しめる場”になっていた

文=工藤貴宏/モータージャーナリスト
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東京モーターショー2019の様子

 2年に一度の東京モーターショーが開催されている。最新のクルマや未来への提案的なコンセプトカーが公開されるモーターショーはクルマ好きにとっては待ちに待ったイベントだが、昨今は地盤沈下が叫ばれている。参加する海外メーカーが減り続け、来場者数は1991年の201万8500人をピークに減少し、2015年には81万2500人、17年には77万1200人と、かつてに比べるとはっきりと凋落しているのだ。

 しかし、主催者側もその状況を黙って見ているだけではない。今年の東京モーターショーは、イベントのあり方自体を大きく転換したのである。

見るイベントから体験するイベントへ

 かつて、モーターショーはステージ上やフロアに並んだクルマを眺めるだけの「見るショー」だった。しかし、今回は実際に体感できる催しを増やした「体感するショー」の色合いが濃くなった。

 たとえば、今年は東京オリンピックの準備の影響から、会場がいつもの「東京ビッグサイト」に加え、1.5kmほど離れた場所に新設された「青海展示場」の2カ所に分かれている。両会場をつなぐ通路には「オープンロード」と呼ばれる入場無料の場所を設けて、電動キックボードや超小型の電気自動車など未来の日常移動ツールなどを体験することが可能だ。

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 また、「ドライブパーク」というクルマも走れる広い場所が用意され、市販されているクルマやバイクの試乗(一部同乗試乗)をはじめ、レーシングカーやラリーカーのデモ走行、同乗試乗体験が行われる(一部有料)。なんと、ドリフト(クルマを意図的に滑らせる派手な走り方)の同乗体験までできるというから驚きだ。

楽しめるのはメーカー展示だけではない

 モーターショーといえば、見るのは自動車メーカーの展示するクルマだけというのが一般的だが、今年の東京モーターショーは違う。

 無料エリアの「オープンロード」周辺には市販車だけでなくレーシングカーやバギー、そしてクルーザー(船)など幅広い展示もあり、さらには日本スーパーカー協会とのコラボレーションによるスーパーカー、東京オートサロンとのコラボによるカスタムカーといった、「普段は見ることのできない特別なクルマ」が並ぶのも、これまでの東京モーターショーでは考えられなかった展開だ。つまり、従来の東京モーターショーに比べて見られるクルマの幅が広がったのである。

 さらに、ドローンレースやeスポーツ大会など、イベントも多く計画されている。自動車メーカーのブースのクルマを見るだけのモーターショーではないのだ。

そして、ファミリー層でも楽しめる

 今年のモーターショーの変化のひとつが「無料エリアが増えたこと」である。前述の「オープンロード」や「ドライブパーク」は基本的に入場無料だし、自動車メーカーの展示ブースは従来通り有料(当日券2000円)となるが、今年からは高校生以下が無料と思い切った手を打ってきた。

 実のところ、今年の東京モーターショーは無料エリアを見に行くだけでも楽しむことができる。さらに、気が向いたら有料の展示会場へお金を払って入る「ぶらりモーターショー」でいいだろう。

 また、子連れファミリーにとってのトピックは、子ども自身が働くテーマパークの「キッザニア」が会場内に設けられていること。カーデザイナーやプロレーサー、クルマの整備など、子どもたちがクルマ産業を遊び感覚で楽しみながら体感できるのだ。東京モーターショー、来場者激減のおかげで家族でメチャクチャ楽しめる場になっていたの画像4

工藤貴宏/モータージャーナリスト

工藤貴宏/モータージャーナリスト

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆中。心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。
執筆媒体はモーターファン別冊新車速報シリーズ(使い勝手チェック及びバイヤーズガイド担当)、ガルヴィ(新車紹介記事担当)、カーグッズマガジン、RESPONSE、&GP、goo-net.com、gazoo.com、くるまのニュース、clicccarなど。国産車を中心に新車から中古車まで幅広く原稿を手掛ける。
本当はスポーツカーが好きだけど、ミニバンや軽自動車も得意。
現在の愛車は10年乗ったポルシェ・ボクスターSから乗り換えたルノー・ルーテシアR.S.とマツダ・プレマシー。

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