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バスケもW杯出場!Bリーグ人気“急過熱”…DeNA参入、観客動員259万人達成

取材・文=武松佑季

ユニフォーム着用文化を根付かせるDeNAの仕掛け

 ベイスターズの実績もあって地域からの期待は高く、DeNAによる運営初年度のスポンサー数も約80社から150社へと1.5倍ほどに増加した。とはいえ、DeNAがリーグ参入した当時のBリーグは、まだ3年目の新興プロリーグ。ブレイブサンダースも2018‐19シーズン前に川崎市民を対象に行ったアンケートでは、存在を知っている人はわずか25%だったという。当然、採算を取るのは非常に難しい。従来のやり方では勝算が薄いなか、さまざまな改革に着手した。

――ブレイブサンダースに限らず、Bリーグの課題として最初に挙げられるのが、やはり知名度の低さです。

元沢 おっしゃる通りで、ラグビーのように世界を相手に健闘する姿を見せるのも大事ですが、各クラブが日本中でファンをつくる活動を地道に行うことがプロスポーツクラブの意義。プロのクラブはアマチュアと違い、収益や入場者数が公開されることによって各クラブ間に競争心が芽生えるので、そのスポーツが根差す上でプロ化というのは、かなり重要なんです。ところが、Bリーグはまだ始まったばかり。80年以上前からあるプロ野球や、28年前にスタートしたJリーグと比べると、プロバスケは興行面でかなり後れを取ったといえます。

――だからこそ、興味を持ってもらうためには、まずは地域密着だといえますね。

元沢 そうですね。クラブが地域に貢献して、その地域の人たちにファンになってもらって、スポンサーになってもらう。そうしないと、今の日本のスポーツ業界は経営が回りません。そういう意味では、ベイスターズ時代に培ったスキルを生かせるのではないかと考えていました。

――ベイスターズはすっかり横浜のシンボルとなっていますからね。

元沢 また、プロスポーツクラブとしては、チームを強くして事業の収益も上げる、という両輪を回さないとダメです。そのためには、選手やスタッフの年俸、チームの設備、会場のハード面への投資がまず必要なので、東芝さんが築き上げた下地にDeNAが得意とするマーケティングをプラスするかたちの事業運営を目指そうと思っています。

――具体的には、どのようなところに資本を注入していますか?

元沢 チームが強いことが一番ですが、それ以外でできることとして、“EXCITING BASKET PARK計画”と銘打ち、試合外のエンターテインメント部分を徹底的につくり込みました。たとえば、昨シーズンは当時国内最大級のセンターハングビジョン(コート中央上空に吊るされる4面型のLEDビジョン)を数千万円かけて設置しましたし、今シーズンからはリボンビジョン(会場の横長ビジョン)も導入しています。ほかにも、従来はパイプイスで観客席をつくっていたところを可動席にしたり、場内装飾をチームカラーのブレイブレッドで統一したりと、設備にはだいぶお金を使いました。

――ベイスターズ時代の経験があるからこそ、思い切ってハード面へ投資ができるわけですね。

元沢 そのほかにベイスターズを手本にしたのは、グループシートです。2階の一部後方席はそれまで稼働率が10%程度だったので、そこを複数名が座れるグループシートにして、マスコットとの記念撮影、フードサービスやドリンク割引といった企画を付けて売り出しました。コストもかかるし運営は大変ですが、これによって稼働率が9割程度になったんです。また、クラフトビールやオリジナルフードを売るために新設備を投入したり、横浜スタジアムの売り子さんに、(ブレイブサンダースのホームアリーナである)とどろきアリーナまで出張してもらったりと、ベイスターズで3年かけてやったことを1年目からどんどんやりました。そのため、初年度はものすごく忙しかったです(苦笑)。

――グッズに関する改革も積極的に進めたようですね。

元沢 Bリーグは、その市場規模から製造が少数ロットになって売値が上がってしまうので、ユニフォームをグッズとして展開するのが難しく、基本的にファンはTシャツを着て応援する文化です。でも、やっぱりユニフォームを着て応援するほうがファンとしてはテンションが上がりますよね。だから、なんとかユニフォーム着用文化をつくろうと、我々がリスクを負ってユニフォームを売り出したところ、予想以上にファンからは好評でした。グッズは、利益率は低いんですが、直接ファンに楽しんでもらえるコミュニケーションツールなので、チームとして強化しなきゃいけない分野なんです。

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