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中国、世界の480の大学にスパイ拠点を設置していた…中国語教育機関「孔子学院」装う

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写真:AFP/アフロ

 ベルギー当局は1日までに、ブリュッセル自由大学に併設している中国語教育機関「孔子学院」の宋新寧院長に対し、「国家安全保障に損害を与える恐れがある」として今後8年間、入国査証(ビザ)発給を拒否するとともに、欧州連合(EU)加盟国を中心に域内の出入国審査を撤廃したシェンゲン協定参加の欧州26カ国に入国できなくする措置をとった。ベルギーの地元紙は「宋氏は孔子学院を拠点にして、欧州諸国の中国人留学生やビジネスマンを中国の工作員に仕立て上げるスパイマスターだった」などと報じている。

 しかし、宋氏は香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」の取材に対して、「私がスパイマスターなどというのは笑止千万だ。今回の措置は、米政府の差し金だ。なぜならば、私はブリュッセルで、米国大使館員に『お前が中国のために働いているのは知っている。その代わりに、米国のために働く気はないか』とスパイにさせられそうになった。この依頼を断ったために、米政府からの圧力で、ビザ発給が拒否されたのだ」と述べている。

 この話が本当ならば、宋氏は米情報機関「米中央情報局(CIA)」から「二重スパイ」の依頼を受けたことになり、ベルギーを舞台に、米中双方の情報機関がすさまじいスパイ合戦を演じていることになる。

各国が孔子学院の廃止を呼びかけ

 宋氏は3年あまり前の2016年7月に孔子学院の院長として赴任。3年間の労働ビザが切れることから、今年4月にビザの延長を申請していたが、7月末にベルギー内務省がビザ延長拒否の決定を下したことで、現在は兼任していた中国人民大学教授として北京に居住している。同大は中国政府や中国共産党の官僚養成を目的として創設された名門大学で、党の支配下にあり、中国の大学のなかではもっとも政府の影響を受けているのは間違いない。前院長も同大から派遣されている。

 孔子学院は現在、世界中の大学などに480以上も併設されている。中国政府は孔子学院を中国語の教育機関と位置付けているが、オランダの名門で幕末に日本で活躍したシーボルトが研究したライデン大学やスウェーデンのストックホルム大学、フランスのリオン大学などは「孔子学院は中国人スパイの拠点」などとして、孔子学院を廃止。英国の保守党も英国内の大学に対して、孔子学院を廃止するよう呼びかけているほどだ。また、米情報当局も孔子学院をスパイ組織の拠点と名指しで非難していることから、一時全米に120校もあった孔子学院は現在、100校を切っている。

 このため、ベルギー内務省が宋氏のビザ発給拒否の決定を下したことは、宋氏が言うように「笑止千万」どころか、「ベルギーの安全保障に重大な影響を及ぼす」ためであることは容易に想像がつく。

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