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丸山穂高議員「ボーナス支給額323万円で所得税105万」となる理由

文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人
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 元国税局職員、さんきゅう倉田です。好きな欄は「丙欄」です。

 NHKから国民を守る党の丸山穂高議員が12月10日、冬のボーナスの明細を自身のTwitter上にアップしていました。支給額は323万6617円、所得税は105万7467円、差し引き支給額は217万9150円でした。

 インターネット上では、「所得税がこんなにかかるのか」「私の年収より多い」などの意見が上がっていました。金額については、高いとも安いとも思いません。法律に則って支払われた適正な金額だと思います。

 ただ、所得税の計算方法について、みなさん疑問に思っていらっしゃるようです。給与とボーナスでは取り扱いがやや異なるので、その計算について解説します。

 みなさんも、自身のボーナスの明細を見ればわかるように、ボーナスからも源泉所得税が徴収されています。毎月の源泉所得税は、「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」に記載された金額が、給与から天引きされています。

丸山穂高議員「ボーナス支給額323万円で所得税105万」はなぜか計算が合わないの画像1
「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」

 勤務先に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していれば甲欄、提出していなければ乙欄となります。1カ所で働いている人は、みんな提出しています。甲欄であれば、扶養家族の人数によっても源泉所得税の金額が変わります。

ボーナス支給額323万円で所得税105万となる理由

丸山穂高議員「ボーナス支給額323万円で所得税105万」はなぜか計算が合わないの画像2
「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」

 一方、ボーナスの場合は給与と異なり「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」から源泉所得税を計算します。こちらも、「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出があれば甲欄となります。なお、甲欄と乙欄では、甲欄の方が、天引きされる所得税が少なくなります。

 丸山議員は未婚でお子さんがいませんので、扶養家族が0人だと仮定して右の表を見てみます(ご両親などを扶養にしている可能性はありますが、ここでは省きます)。

 まず、前月の給与から社会保険料等を差し引きますが、社会保険料の金額はわからないので、歳費のおよその金額100万円を、先月の給与から社会保険料等を引いたものとします。

 表のなかの、100万円ときの税率を見ます。「926千円以上1321円未満」なので、32.672%です。この税率をボーナスの金額、323万6617円にかけて所得税を求めます。105万7467円になりました。丸山議員が投稿した明細の所得税の金額と一致します。

 なお賞与とは、定期の給与とは別に支払われる給与をいいます。賞与以外にも、ボーナス、夏期手当、年末手当、期末手当と呼ばれるものも該当します。また、純益を基準として支給されるもの、あらかじめ支給額や支給基準の定めのないものも賞与です。

 ボーナスの源泉所得税の計算は「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」使って行いましたが、前月に給与がない、ボーナスが給与の10倍を超える、そのような場合には、「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」を使って計算します。なお、国会議員の月収は、およそ100万円なので、ボーナスが給与の10倍に該当することはめったにありません(前月に議員になっていれば、日割計算で歳費が少なくなります)。

 国家議員の給与(歳費)は法律で定められているので、誰でも知ろうと思えば知ることができます。しかし、今回のように議員が積極的に、しかもSNSで開示するのはまれです。明細も、毎月の給与明細と異なり簡潔でわかりやすいものでした。複雑であるがゆえに政治や税金に関心のなかった人が、興味を持つきっかけとなるかもしれません。

(文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人)

●さんきゅう倉田
大学卒業後、国税専門官試験を受けて合格し国税庁職員として東京国税局に入庁。法人税の調査などを行った。退職後、NSC東京校に入学し、現在お笑い芸人として活躍中。2017年12月14日、処女作『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)が発売された。

「ぼくの国税局時代の知識と経験、芸人になってからの自己研鑽をこの1冊に詰めました。会社員が社会をサバイバルするために必須の知識のみを厳選。たのしく学べます」

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