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責任を部下に押しつけて逃げる“残念な職場”の作り方

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※画像:『残念な職場』(PHP研究所刊)

 うまくいかなかった仕事の責任を上司に押しつけられたり、自分がやらなくていいはずの仕事を命じられたり、上層部の方針がコロコロ変わって振り回されたりと、会社員生活をしていると程度の差こそあれ、理不尽な思いをすることがある。

 その原因は職場にいる「理不尽な人間」にあることはもちろんだが、職場の環境も見落とすべきではない。理不尽がまかりとおる「残念な職場」が、この世にはあるのだ。

■理不尽な職場環境を作るのは「ジジイ」である

 健康社会学者の河合薫氏は、『残念な職場』(PHP研究所刊)で心理学と社会学の両面から「残念な職場」脱却の方法を紹介。多くの研究に基づいて答えを出し、さらに600人強へのインタビューから改善の具体例を導き出していく。

「残念な職場」とはどんな職場だろうか。理不尽がまかりとおると書いたが、具体的には、経営陣や上司といった上役が責任をとらない職場がその一例たりえるだろう。責任というのは偉い人がとるものだが、責任から逃げる人は多い。

「経営判断」というワードを乱用する経営者。役員、部長、課長も「知らなかった」「指示していなかった」と責任逃れをし、部下に責任を押し付ける。

 このような無責任の背景には「ジジイ文化」があると河合氏は述べる。ここでいうジジイの定義とは、「変化を嫌い、自分の保身だけを考え、『会社のため』『キミのため』と言いながら、『自分のため』に手に入れた既得権益にしがみつく人びとである。このタイプは属性で人を判断し、『下』の人には高圧的な態度をとる」としている。ジジイといっても年配の男性とは限らず、女性のジジイもいるし、若者のジジイもいる。

 気をつけなければいけないのは、今、理不尽に憤っている人も、いつかはジジイになる可能性があるということ。

 なぜなら「心は習慣」で動かされていることと深く関係しているからだ。「役職が人を作る」と言われるように、いい面も育まれるが、怠惰、愚考など悪い面も習慣に適応してしまう。こうして理不尽な上司を嘆いていた若手社員も出世が決まると、同じように理不尽な上司に成り下がる場合がある。

 では、理想の職場とは、どんな職場なのか。

 それは、仕事の意味を理解し、人が秘める能力を最大限に引き出す職場だ。そのためには、人生において重要な「仕事」「家庭」「健康」の3つが上手くいっている状態を当たり前にしなければならない。

 健康社会学を専門とする河合氏が、実証研究や理論に基づき考えたのが「人生の邪魔をしない職場」であるという。たとえば、17時退社が当たり前である職場だ。疲れは放っておくと溜まる一方。蓄積疲労はうつにもつながる。心的な疲れを癒すには、適度な運動や精神的なゆとりが必要不可欠なのだ。

 残念な職場はなぜ作られるのか。読んでいく中で自分の会社が「残念な職場」だと思うことがあるかもしれない。だとするならば、どう職場と向き合えばいいのか。場に流されず、自分の思い描く働き方ができるようになるにはどうすればいいのか。その示唆を与えてくれる一冊である。
(T・N/新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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