NEW
スキル・キャリア

1年間、完全“現金不使用”に挑戦した結果 キャッシュレス生活の意外な“鬼門”

新刊JP
【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

※画像:『キャッシュレス生活、1年やってみた』(祥伝社刊)

 2018年末に日本中を巻き込んだキャッシュレス決済サービスPayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」で、キャッシュレス決済を使い始めた人も少なくないだろう。

 日本はキャッシュレス後進国と言われるけれど、意外にキャッシュレスでやっていけるのでは? クレジットカードが使える場所も多いし、小銭を持ち歩くのも面倒。キャッシュレス、できそうじゃん。

 そう考えている人はぜひこの本を読んでほしい。『キャッシュレス生活、1年やってみた 結局、どうするのが一番いいんですか?』(祥伝社刊)だ。

 本書はビジネス書著者の美崎栄一郎さんが、2019年1月1日から送っているキャッシュレス生活の1年間をまとめた一冊。現金を使った場合は「1敗、2敗」と数えていく。まさに「現金を使ったら負け」の日々だ。

 では、美崎さんはキャッシュレスで通すことができたのか?

■最初に困ったのは「お賽銭」

 元旦から始まったキャッシュレス生活だが、そこにはいきなりトラップが。初詣のお賽銭だ。普通、現金を投げ入れるものだが、今回はNG。そこで美崎さんが見つけ出したのが、電子マネーでお賽銭を受け付けている神社だ。

 出世の神様で有名な東京・愛宕神社もその一つ。愛宕神社の使える電子マネーはEdy(エディ)で、賽銭の金額をテンキーで入力するシステムなのだそう。混雑する初詣にテンキーで支払いはちょっと面倒。神社のキャッシュレス化はまだまだ課題が多そうだ。

■郵便局はキャッシュレス生活の鬼門

 続いて美崎さんがぶつかった壁が郵便局だ。実は郵便局の窓口がキャッシュレスに対応したのは2020年2月3日から。美崎さんがキャッシュレス生活を送り始めた当時はまだ現金での決済のみ受け付けていた。

 代案として美崎さんが取ったのは、コンビニのファミリーマートで切手やはがきを購入すること。たまたま美崎さんはクレジットカード機能付きのファミマTカードを持っており、クレジットで購入できる。

 本来、切手や、切手が印刷されたはがきは金券類にあたるため、現金でしか買うことができない。しかし、ファミマTカードであれば、ファミリーマートで扱う金券類はクレジットカード決済ができるとのこと。

 2020年2月、ようやく郵便局のキャッシュレス決済対応が始まったが、まさに過渡期ならではの「鬼門」だったと言えるだろう。

■日本での初めての敗北は意外にもあの場所だった

 実際に美崎さんが1年間を通してキャッシュレスでいけたのかというと、結論から言えば「できなかった」。

 講演や出張などで全国を飛び回る美崎さんにとって、地方はさらなる鬼門だ。

 それでも、美味しそうなものを前にしても現金決済オンリーなら手を出さず、電子マネーやクレジットカードを使える場所で舌鼓を打つ。また、広島のタクシーはPayPayで乗り切るなど、我慢と工夫で美崎さんはハードルを乗り越えていく。

 しかし、やはり来るべき時は来るのであった。

 最初の敗北は海外。台湾の桃園空港からの移動のため、交通系ICカード「悠遊カード」を購入するために現金を使用。さらに、次に飛んだフィリピンは現金社会のため、あえなく「敗北」した。

 そして、日本での初めての敗北は3月16日の大阪。

 場所は意外にも「セブンイレブン」。キャッシュレス決済の先端ともいえる場所で何が起きたのか。実はそこには大きな落とし穴があった。

 ナナコを使って商品を支払おうとした美崎さん。ナナコはセブンイレブンが発行するクレジットカードから、自動的にチャージできるように設定したはずだった。しかし、設定後24時間経たなければ、設定が反映されないルールがあったのだ。

 もちろん、この24時間ルールは想定済みだったので、自宅で設定して24時間経ってから使ったのだが、反映までタイムラグがあった模様。美崎さんは泣く泣く現金を差し出し、ナナコにチャージするのであった。(その1時間後に再度挑戦したら、無事にチャージ成功)

 美崎さんの1年を追いかけると、やはり公共機関は鬼門になることが多いようだ。例えば、空港から市街地への交通機関であったり、病院であったりといったところは、地方や小さな機関であればあるほど、キャッシュレスへの対応が遅れていることがうかがえる。

 とはいえ、キャッシュバックキャンペーンであったり、クレジットカードのポイントであったり、工夫をして使いこなせばお得になるのがキャッシュレス決済の魅力。

 日本でキャッシュレス決済だけで過ごせるようになる日はいつ来るのか。キャッシュレス決済の現状を、リアリティをもって追体験できる一冊だ。(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

関連記事