ポリコレで変わる英語事情 今では使えない単語とは?の画像1
※画像はイメージ(新刊JPより)。

 海外の企業や外資系企業の日本法人など、今や外国人と一緒に働いていたり、過去に働いていたり、あるいはこれから働くという人は少なくない。そんな人にとって「英語」は商売道具どころか、「生活必需品」である。

 ただ、言葉というのは生き物であり、時代や社会動向によって変化する。10年前は許されていた表現が、今は「差別的である」「セクハラやパワハラになる」といった理由で問題視されたり、敬遠されたりすることもたびたびだ。

■ポリティカルコレクトネスが変える英語表現

 これらは今欧米を中心に重視される「ポリティカルコレクトネス」の流れの中にある。つまり、人種や性別、民族、宗教への差別に結びつく表現は問題視されやすく、敬遠される傾向があるということだ。

 こうした、問題視されやすい英語をまとめ、解説した『あぶない英語』(岩田雅彦著、幻冬舎刊)によると、日本でも浸透している「ブラックリスト」という言葉も、今は英語圏で敬遠されつつあるという。

 例をあげよう。「要注意人物」を指す「blacklist」だが、言葉そのものにネガティブな意味があり、しかもそれが黒人を想起させるため、今は「banned=追放された(人)」という言葉を使うことが増えている。

 注意すべきは、「blacklist」の語源が実際に黒人に由来しているかどうかは関係がないという点だ。「特定の人種をイメージさせる」こと自体が、敬遠される理由になるのである。

 そんなわけだから「blackmail(脅迫)」も、「black sheep(厄介者)」も、近年あまり使われず、それぞれ「extortion」「outcast」と言い換えられて使われることが増えている。

 性別についても、特定の性別が入る表現は、今のご時世ちょっとまずい。

 日本で「ビジネスマン」「キャリアウーマン」「スチュワーデス」という表現をあまり見かけなくなって久しいが、これは英語圏でのポリティカルコレクトネスの流れに呼応したものだといえる。

 「chairman(議長)」は「chairperson」だし、「cameraman」も今は「photographer」に変わりつつある。人的リソースを指す「manpower」は「workforce」や「staff」と表現されることが多い。

 ここでは、単語レベルで「今つかうと危ない英語」を紹介したが、ポリティカルコレクトネスの流れはもっと深いところで英語を変え始めている。

「聞いてはいけない質問」に「パワハラになる話題」「炎上しかねない表現」、こうしたことに対して、非ネイティブである日本人英語スピーカーは無防備だといっていい。

 これから英語を学んでいく人や、外資系企業で働く人にとって、英語の「最新事情」を知ることができる本書は、大きな学びになるはず。口から出た言葉も、送信してしまったメールも、元には戻らない。炎上したり、訴訟になってからでは遅いのだ。
(山田洋介/新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

関連記事

プレスリリース入稿はこちら サイゾーパブリシティ