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小澤貴子「化粧品のウソとホント」

殺菌剤、使い過ぎで逆にウイルス感染・肌荒れ・シミの危険…ハンドクリーム使い回しはNG

文=小澤貴子/東京美容科学研究所
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「Getty Images」より

 新型コロナウイルスに関する情報があふれ、今までと違う過ごし方をされている方も多いのではないでしょうか。今回は、殺菌剤の特徴と、お肌の面から見た注意点についてお話ししたいと思います。

 殺菌グッズが大変注目されています。殺菌といえば、アルコールや漂白剤が有名ですが、実は合成界面活性剤、とくにアミノ酸系や逆性石けんといわれるような洗剤も、殺菌効果が高いものがたくさん存在しています。

 アルコールがなぜ殺菌できるのか、そのメカニズムについては実はまだ解明されていない点も多いのですが、微生物の細胞膜やウイルスの被膜に穴を空けるので、殺菌効果が発揮されことがわかっています。

 その殺菌効果は、アルコールの濃度と関係することが実験で確認されています。アルコールは40%程度から殺菌効果を示し始めますが、80%付近で殺菌効果が高く、逆にそれ以上高くなると殺菌効果がぐっと下がってしまいます。基本的には、60~80%ほどの濃度のアルコールに殺菌効果があります。アルコールの消毒液を購入するときには、どうぞ濃度にも気をつけてください。

 もうひとつ、合成界面活性剤も、人間の皮膚のバリア機能を守るうえでは天敵となりますが、殺菌効果という面では威力を発揮します。合成界面活性剤にも生物の細胞膜やウイルスの被膜を壊す力があり、微生物やウイルスを死に追いやることができるからです。

皮膚のバリア機能

 殺菌剤として注目されるアルコールと合成界面活性剤ですが、乳化力(油と水を混ぜる力)という点では違います。合成界面活性剤は、いわゆる台所洗剤として除菌ができるといった強すぎる洗浄剤です。水に油を強力に溶かすことができるのです。

 アルコールにない、合成界面活性剤の乳化力(一般に「強すぎる洗浄力」ともいわれます)は、油と水の独立した多層構造でできている肌のセラミドの配列を破壊してしまうため、皮膚のバリア機能を壊す原因なのです。

 皮膚のバリア機能がなくなれば、外から体にとって害となる異物が体内に侵入しやすくなります。ウイルスもそのひとつです。ほかにも、乾燥肌や敏感肌、アトピー肌や弱肌の原因になったり、さまざまな異物混入によりシミがつくられやすい肌になってしまいます。

 過度の除菌状態にあるといってもよい状況ですが、いたしかたありません。ですが、こうした行き過ぎた除菌を素手で行えば、皮膚自体のバリア機能も弱まってしまうことにも、注意が必要です。体の免疫機能のうちの半分は体内の粘膜部分にありますが、残りの半分は実は皮膚の部分で行われています。皮膚のバリア機能が弱まれば、それもまた、さまざまな感染リスクにつながります。手を洗いすぎて痛めてしまう前に、保護を目的にしたハンドクリームや、バリア保護を目的にするクリームでバリアを補強することも大切です。

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