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「志願したい大学」明治が早稲田を抜いて4年ぶり1位の理由…青山学院、立教は不動の人気

文=長井雄一朗/ライター
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明治大学駿河台キャンパスのリバティタワー(「Wikipedia」より)

 リクルート進学総研(リクルートマーケティングパートナーズ運営)が「進学ブランド力調査2020」を7月16日に発表した。同調査は、高校生の大学選びの動向を明らかにするため、年に1回、高校3年生を対象に行われている。大学の志願度や知名度のほか、大学に対する50項目にわたるイメージを調べるものだ。

「志願したい大学」を見ると、関東エリアは明治大学が4年ぶりに1位、東海エリアは名城大学が4年連続1位、関西エリアは関西大学が13年連続1位となった。関東の2位以下は、早稲田大学、青山学院大学、立教大学、日本大学という顔ぶれだ。

 オンライン記者発表会では、リクルート進学総研の小林浩所長が同調査の結果について解説した。

受験生の「超安全志向」

 今回の結果には、2016年からの定員厳格化と21年度に導入される大学入学共通テストへの不安が色濃く表れ、受験生の「超安全志向」が反映された。

 共通テストで英語4技能と記述式が見送りとなり、受験生や教育現場は混乱している。共通テストに対する不安の増大が、国公立大学志向の減少にも影響していると考えられる。

 また、コロナ禍の第2波、第3波への懸念から、共通テストの実施自体への不安もある。そのため、昨年に続き、大学入試の「玉突き現象」が起きている。受験生が志望校、すべり止め、すべり止めのすべり止めにもフォーカスするため、意外な中堅大学に関心が高まっているのだ。

「志願したい大学」(関東)については長年、早大と明大が1位の座を争ってきた。09~16年は明大が、17~19年は早大が1位となっていたが、20年は明大が1位に返り咲いた。また、3位の青山学院大と4位の立教大は19年と変わっていない。しかし、定員厳格化以降、上位3大学のポイントが下がり、4位以降との差が徐々に詰まっているという。

 小林所長は、こうした傾向について「上位3大学とも難易度が高まっているため、敬遠する傾向も見て取れる。明大より早大のほうが難易度が高いため、より志願度が下がり、相対的に明大がトップに立った」と分析している。

 18年にアメリカンフットボール部の悪質タックルが問題になった日大は19年に6位に順位を下げたが、20年は5位に回復した。

「規模が大きく、有名で、伝統、活気があって親しみやすく、クラブ活動も盛んで、『入試方法が自分に合っている』という項目では順位が高い一方、『校風や雰囲気が良い』では上位に入っていない。志願度は上昇したものの、全体的なイメージが回復したかといえば、そこまでではない」(小林所長)

 関東では、東海大学が19年の29位から18位に順位を上げている。

「東海大は22年度に全学的な学部の改組改編およびキャンパス再編計画を実行するなど、改革に着手することを発表しており、20年春からさまざまな広報戦略で伝えている」(同)

名城大が屈指の人気校になった理由

 東海では、4年連続1位の名城大が頭ひとつ抜けており、2位の名古屋大学、3位の中京大学に差をつけている。

「さまざまな改革を進めている名城大は16年にナゴヤドーム前キャンパスを開設し、外国語学部を新設。もともと理系の人気が高い大学だが、外国語学部の新設後、卒業生を輩出し、女子の志願度も高まっている。理系の男子に加え、文系の女子からも志願度を高めていることが、名城大の人気の理由だ」(同)

 また、岐阜大学が19年の13位から6位に順位を上げた。岐阜大は名古屋大と運営法人を統合する「東海国立大学機構」が4月1日に発足した。

「統合の影響はあると見ている。名古屋大のブランドが、岐阜大に良い影響をもたらしている」(同)

 関西は、関西大が13年連続1位と圧倒的な強さを見せており、2位は近畿大学、3位は関西学院大学という顔ぶれだ。

「改革を進めている近大は人気が高まって志願者が増えているが、難易度が高まっているため、『志願したい大学』のポイントは年々下がっている」(同)

 大阪府立大学と大阪市立大学は22年4月に統合し、大阪公立大学が新設される予定だが、大阪市立大は19年の3位から5位に下がった。両大とも同程度の志願度のため、岐阜大のような変動はなかったようだ。

 このほか、北海道にキャンパスを置く小樽商科大学、帯広畜産大学、北見工業大学の国立3大学が22年の統合を目指している。

「今後の景気動向や地方国立大の定員増が地元の学生の国公立志向に影響を与えることはあるだろう。今後、国公立大の統合が相次いで進展すると、学生にとっては、地域に自分が学びたい分野や学問領域がどれくらいあるかが課題になり、それが本質的な志願度に影響を及ぼすことになる」(同)

 今後、関西で志願度が高まりそうな大学は追手門学院大学だという。

「文系のみだが、ランキングを伸ばし、キャンパス移転などの改革を進めている」(同)

「看護・医療」分野で北里大学がV2

 また、「分野別志願度ランキング」にも注目したい。「経済・経営・商」では、関東は明大、東海は名城大、関西は関西大がそれぞれ1位になっている。「観光・コミュニケーション・メディア」では、関東は観光学部を持つ立教大、東海は外国語学部を有する名城大、関西は社会学部を有する関西大がそれぞれ1位に。

「教育・保育」では、関東は文教大学、東海は愛知教育大学、関西は大阪教育大学がそれぞれ1位。「看護・医療・保健・衛生」では、関東は北里大学、東海は藤田医科大学、関西は森ノ宮医療大学が、それぞれ2年連続で1位となった。

「情報」では、関東は社会情報学部を有する青山学院大、東海は都市情報学部を有する名城大、関西は総合情報学部を有する関西大と、情報学を中心とする文理融合・文理総合型の学部を有する大学が1位となった。

「デジタル化の進展により、理系に加えて、文系の情報分野の人気が徐々に高まっている。また、景気後退局面では、資格系の分野に人気が集まりやすい。手に職をつけて学びと仕事を連動していこうという意向が高まり、それが『看護・医療・保健・衛生』の人気につながっている」(同)

 大学も選択と集中が続き、統合などで生き残りを図る動きも目立ち始めているが、今後の動向も興味深いものになりそうだ。

(文=長井雄一朗/ライター)

長井雄一朗/ライター

長井雄一朗/ライター

建設専門紙の記者などを経てフリーライターに。建設関連の事件・ビジネス関係で執筆中。

Twitter:@asianotabito

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