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「菅義偉首相」確実の情勢、総裁選圧勝か…安倍首相・麻生の“寝首を掻いた” 菅・二階

文=編集部
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首相官邸のHPより

 安倍晋三首相の突然の辞意表明に伴う自民党総裁選は、選挙の日程や方法が決まる前から菅義偉官房長官の圧勝ムードとなっている。

 各派閥が「菅支持」に雪崩を打つ流れをつくったのは、二階俊博幹事長だ。辞意表明翌日の8月29日、密かに二階氏は菅氏と会談。翌30日、その情報がメディアに伝わると、各社は一斉に「菅氏が出馬の意向を固める」と報じた。リークしたのは二階派議員だとみられる。二階派の重鎮である河村建夫元官房長官は「(菅氏は)安倍政権と共に屋台骨を支えてこられたわけだから残りの期間、責任がある」と報道陣に発言。二階派が真っ先に菅氏の支援を明確にした。

 菅氏も動いた。31日、参院竹下派に影響力がある青木幹雄元参院議員会長と会談。竹下派が菅氏を支持する土台をつくった。さらには、同日、無派閥議員グループが菅氏に出馬要請。一気に菅氏が最有力に躍り出た。

 焦点は、安倍首相の出身派閥である細田派と麻生派の判断だったが、あまりの動きの速さになす術なし。主流派から脱落しないためにも、菅支持の流れに乗る選択肢しか残されていなかった。

「菅首相」は当初、安倍首相が思い描いていたシナリオではなかった。

「安倍首相と麻生太郎氏の間では、『総理が体調問題などで任期途中に退陣する場合、来秋の総裁任期満了までは麻生氏で』という話になっていた。いったん麻生氏が首相臨時代理に就き、そのまま首相にというシナリオです。2009年の政権交代で下野した時の首相だった麻生氏には、『もう一度』というリベンジの気持ちがあった。ところが、安倍首相は臨時代理を置くプロセスを経ずに、辞意を表明してしまった。これで麻生氏再登板のシナリオが狂った。どうして、そうなったのか。安倍首相の気が変わったのか。それとも、ドクターストップがかかり、安倍首相は麻生氏のことを考える余裕がなかったのか」(安倍首相周辺)

 これで万事休す。今月20日に傘寿(80歳)を迎える麻生氏には、他の候補者とともに総裁選に出馬して戦うまでの気力はなかったようだ。

 安倍首相と菅長官の間にすきま風が吹いていたのは公然の秘密。菅氏が安倍首相にとって「意中の人物」であるはずはなく、細田派は菅支持を打ち出したものの、「安倍首相は直前まで、同派の下村博文選対委員長に総裁選出馬をけしかけていた」(自民党ベテラン議員)という話もある。

「ボンボン」vs.「叩き上げ」

 安倍政権の中枢で長らく続いてきた「安倍首相・麻生財務相」vs.「二階幹事長・菅官房長官」の暗闘。最後は「二階・菅」に軍配が上がることになりそうだが、両者のバトルは、「ボンボン政治家」vs.「叩き上げ政治家」でもあった。

 安倍首相も麻生氏も、政界随一のサラブレッド。安倍首相は岸信介元首相の孫であり、父は派閥の領袖を務めた安倍晋太郎元外相。麻生氏は吉田茂元首相の孫であり、福岡県で手広く商売する麻生財閥の御曹司。実妹は寛仁親王妃で、家系は皇室にもつながる。選挙区はそれぞれ山口県と福岡県だが、安倍首相は東京生まれの東京育ち、麻生氏は福岡生まれながら、小学生の時に上京して学習院初等科に編入している。

 それに対し、二階氏は和歌山県出身。建設大臣を務めた遠藤三郎衆院議員の秘書を務めた後、和歌山県議を経て、衆院議員に当選。氏は秋田県出身で通産大臣を務めた小此木彦三郎衆院議員の秘書を務めた後、横浜市議を経て、衆院議員になった。議員秘書から地方議員を経て中央政界へという経歴は同じだ。

 親の敷いたレールに乗っかってきた「ボンボン」は、想定外のことが起きた時は対処できず、諦めが早い。しかし、地べたを這いつくばってのし上がってきた「叩き上げ」は、泥臭い戦いになった時の「胆力」が違う。それが、今度の総裁選で露骨に出たといえる。

(文=編集部)

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