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木下隆之「クルマ激辛定食」

スバル、新型「レヴォーグ」の切れ味が鋭すぎる!SUVでは不可能なフットワークを実現

文=木下隆之/レーシングドライバー
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SUBARU新型「レヴォーグ」

 SUBARU(スバル)の新型「レヴォーグ」に試乗する機会を得た。まだプロトタイプでありデータは参考値ながら、ほぼこのままの姿で市販される公算が高い。

 新型は、ある意味では“キープコンセプト”に思えた。ツーリングワゴンならではのユーティリティを確保したまま、走りの性能を引き上げていたからだ。スバルお得意の、伝家の宝刀であるアイサイトを「アイサイトX」に進化させて搭載。そのリポートは別に譲るが、完成度は高い。スバルの久しぶりの力作なのである。

 それはつまり、ツーリングワゴンの復権のように思えた。雨後の筍のようにSUV(スポーツ用多目的車)が増殖し、幅を利かせている。荷室の豊かさと走りの性能の両立はツーリングワゴンのお家芸だったはずなのに、その座をSUVが奪って久しい。SUVはスペース・ユーティリティ・ビークルの略である。あるいはスポーツ・ユーティリティ・ビークルを語源とすることもある。このように、かつてはツーリングワゴンを指し示していたユーティリティ・ビークルをSUVのものとしてしまったのだ。

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 そんななか、新型レヴォーグからは、その座を奪い返すがごとき鼻息の荒さを感じた。というのも、走りのフットワークが驚くほど刺激的だったからだ。搭載するエンジンは水平対向1.8リッター直噴ターボである。最高出力177ps、最大トルク300Nmを発揮する。特性は小排気量ターボ風であり、ターボチャージャーの過給機を高めることで177psを絞り出している感覚が強い。必要にして十分な出力だといえよう。

 だが、レヴォーグの鼻息の荒さはそこではない。ステアリングの切れ味やフットワークが、ドキドキするような刺激に満ち溢れているのだ。プロトタイプモデルに乗り込み、ステアリングを切り込んだ瞬間に、思わず我が目を疑った。それはまるでレーシングカーのように、いやレーシングカー以上に鋭く旋回Gが襲ってきたのだ。ステアリングの反応には、まったく遅れがない。若干の不感帯を予測していた体は、身構える間もなく襲ってきた旋回Gに驚いた。レーシングカーのようなキビキビ感である。

 旋回中のロール剛性も高い。車体がグラグラと傾くことはない。電子制御ダンバーは、クルマの姿勢をフラットに保とうとしてくれるのだ。多少の乗り心地の硬さを意識することはあるが、高い走りのレベルを思えば納得できる。

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 新型は、徹底的にボディ剛性を引き上げ、サスペンションストロークを大幅に増やした。そればかりか、電動パワーステアリングのギア比を切り詰めた。微小舵角からの切り味がいいのは、その効果も高い。スバル初の電子制御ダンバーは、微細な上下動からも鋭く減衰力を発揮する。曖昧なゾーンがないのである。走りがキレッキレなのは、ダンバーの制御からも想像できた。

 このように、新型レヴォーグはアグレッシブなフットワークを身上としているのだ。それは車高の高いSUVには不可能な領域であり、つまり打倒SUVとツーリングワゴンの復権を声高に叫ぶ狼煙のように思える。そしてそれは同時に、スバルワゴンからレガシー、そしてレヴォーグと続くスバルツーリングワゴンの復権でもある。
(文=木下隆之/レーシングドライバー)

●木下隆之
プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

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