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角谷リョウ「稼ぎがUPする“カラダ改造法”」

なぜトップアスリートは「うつ」になりやすい?日本選手の4割がメンタルヘルス不調の衝撃

文=角谷リョウ/パフォーマンスコーチ
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アンドレス・イニエスタ選手(「Getty Images」より)

 最近は、テニスの大坂なおみ選手をはじめ、サッカーのアンドレス・イニエスタ選手(ヴィッセル神戸)など、トップアスリートが「うつ」もしくは「かなり不安定な精神状態」であることを告白する機会が増えました。

 私たちは一般的に、オリンピックに出られるようなトップアスリートは“鉄のメンタル”を持っているようなイメージを描きがちです。実際にお会いしたりサポートをすると、トップアスリートは本当にメンタルが強いと感じます。

 それではなぜ、トップアスリートは「うつ」になりやすいかと言うと、答えは「強いメンタルを上回るプレッシャーや不安があるから」です。

 2020年に国立精神・神経医療研究センターが、ラグビーのトップリーグ選手251人を調査したところ、なんと42%の選手がメンタル不調であることがわかりました。海外のトップアスリートや、一般的なビジネスパーソンに比べてかなり高い数値です。

 これは、日本でスポーツをすることの大変さを物語っていると思います。日本では、オリンピックなどの国際大会に出るだけでなく、メダル(競技によっては金メダル)を取らなければ、セカンドキャリアもまったく安定ではありません。

 ビジネスと違って、常に勝者は1人という、非常に厳しい世界であることも大きな要因のひとつです。

 加えて言えば、健康とは程遠い体づくりも原因のひとつです。競技で高いパフォーマンスを発揮するために鍛えあげられた体は、健康という尺度で見れば、ストイックすぎて必要な脂肪すら削っている状態といえます。

 つまり、彼らはいくら元々メンタルが強かったとしても、非常に厳しい世界で、極限の状態で戦っているため、肉体的にも精神的にもかなり追い詰められています。そんな状況で、SNSなどで誹謗中傷を受ければ、心に大きなダメージを受けることは避けられません。

 さらに、試合や大会が近づくと興奮状態が収まらず、寝られなくなる選手も多くいます。

 筆者もオリンピック選手やプロアスリートの睡眠をサポートしていますが、大会中はもちろん、普段でもしっかり睡眠が取れていない人を多くみかけます。今までサポートしてきたアスリートたちは、睡眠が浅くなっている「不眠症レベル」の割合が、ビジネスパーソンの倍近くもありました。

 しかし、そんな彼らも睡眠のスキルを身につけて、緊張状態でも寝られるようになると、ストレスの数値が半分程度になります。「うつ」ともっとも相関性が高いのは「不眠」であると、海外でも日本の精神医学会でも発表されています。

 これからは、トップアスリートもビジネスパーソンも、厳しい時代を生きるには「快眠のスキル」が必須になるかもしれません。

 しかし、一番大事なことは私たちが、アスリートがメンタルも強靭で誹謗中傷にも耐えられると思わず、「自分たちと変わらない、傷つきやすい隣人」であると認識し、偏見のない思いやりを持って接することではないでしょうか。

(文=角谷リョウ/パフォーマンスコーチ)

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角谷リョウ(Lifree株式会社 取締役)
1996年神戸市役所を退職しパーソナルトレーナーに転職する。その後、神戸・大阪に、短期ダイエットジムを立ち上げ、リバウンドしない身体づくりを実現する「カラダづくり習慣化メソッド」を開発する。2012年からは「見せるカラダ」ではなく「人生の質(QOL)を高めるカラダ」にコンセプトをシフトし、これまで3000人以上のクライアントの、仕事とプライベートのパフォーマンス向上を実現している。

 著書に『エグゼクティブを見せられる体にするトレーナーは密室で何を教えているのか?』(ダイヤモンド社)、『鍛えていないと稼げません』(WAVE出版)がある。

Twitterアカウント:https://twitter.com/100suimin

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