国民的人気女優が不運なトラブルに巻き込まれているようだ――。
『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系/2017年)、『義母と娘のブルース』(TBS系/18年)、『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(NHK/19年)、『天国と地獄 ~サイコな2人~』(TBS系/21年)と毎年のように話題作のドラマに出演している、女優の綾瀬はるか。今年秋からは織田信長を題材とする木村拓哉との共演映画の撮影がスタートするとも報じられているが、仕事は順調そのものといえる。
一方、私生活では今年で36歳となり、一般的には結婚も意識される年齢とされるが、昨年7月に韓国俳優のノ・ミヌと約2年間にわたり極秘交際していると「女性セブン」(小学館)で報じられたものの、綾瀬の所属事務所は否定。綾瀬本人も登壇した飲料水の発売記念イベントで報道陣から「結婚報道は事実?」という質問を受け、「まったくありません」と否定している。
「綾瀬さんは韓国料理が好きで、一時期はよく韓国に行きたがっていたこともあり、韓国人の友人も少なくない。それが結果的に熱愛報道につながったのかもしれませんが、ツーショット写真があるわけではなく、真相は藪の中です」(業界関係者)
また、週刊誌記者はいう。
「過去には大沢たかお、松坂桃李などとの熱愛報道が出たこともありましたが、どれも信憑性は微妙。ただ、2年ほど前のことですが、ある会社経営者と都内の飲食店の個室で頻繁に食事をしているという目撃談が流れ、新恋人ではないかと一部の週刊誌も追っていたものの、結局報道には至らなかった。綾瀬はプライベートのときも、ホリプロの長年連れ添っているマネージャーをはじめスタッフたちが厳重にガードしているので、なかなかスクープを取りにくい女優の一人ではありますね」
詐欺手段の常套手段
そんな綾瀬を悩ませる事態が起きているという。15日付「NEWSポストセブン」記事によれば、広島に住む母親が知人から勧められるがままに月3%という高利回りの投資話に約1億円を出資したものの、約束された毎月の配当支払いがストップし、綾瀬も税理士に相談するなど対応に追われているという。「ポストセブン」によれば、広島ではこの投資トラブルに多くの高齢者が巻き込まれ被害が広がっているというが、綾瀬の母親に仲介した人物は「セブン」の取材に対し、金銭消費貸借契約なので投資ではないと釈明している。
共演した経験のあるタレントが「“芸能界にこんな純粋な人がいるんだ”って驚きましたよ」(3月14日付当サイト記事より)と語るほどピュアな綾瀬だけに、心配はつのるばかりだが――。
ファイナンシャルリサーチ代表でファイナンシャルプランナーの深野康彦氏はいう。
「契約書を見ていないので断定できませんが、金銭消費貸借契約であれば、お金の貸し借りに当たります。その場合、貸付期間、金利、返済方法などが記載されるはずです。不特定多数から投資や出資を受ける場合は、業者の登録をしなければならないのですが、問題となっているこのグループは登録していないと思われ、法律に抵触しています。
金銭消費貸借契約はお金の貸し借りの際の契約になりますが、投資は出資者が収益を期待して株式や債券、投資信託などを購入する点が違いです。金銭消費貸借契約の場合、お金を出した(=貸した)側は、そのお金は原則利息をつけて返してもらえますが、投資の場合は最悪お金が戻らないこともあり得ます。投資だと『怖い』『元本が保証されていない』『元本が戻らない』などと考えている人が多いので、わざと金銭消費貸借契約と言い換えているのでしょう。金銭消費貸借契約について十分な理解している高齢者は多くはないでしょうから。
昨今はオレオレ詐欺をはじめとする特殊詐欺が増えたので、今回のような詐欺はあまり多くないようです。ただし、毎年数件はこの手の詐欺が起こり、数百億~数千億円もの資金を集める大々的な詐欺が話題になります。
同様の詐欺に遭わないためには、『おいしい話はない』と思うことです。もし投資の勧誘をされたら、すぐに回答をしないことが重要です。回答する前に、子どもや兄弟、両親などの親族、あるいは国民生活相談センターなどに相談してください。たとえば、勧誘してきた人に『収益に対する税金はどうなるの?』と質問するのは有効です。『非課税だ』という答えなら、間違いなく詐欺です。NISAなどを使わない限り、投資などで非課税はあり得ません。
月利が2~4%ということは、年利に直せば24~48%とあり得ない高利回りになります。年利を示すと詐欺だと疑われるので、月利にして『うまくいけば、そのくらい稼げる』と感じさせる数字で勧誘しているのでしょう。豪華レストランなどでセレブの会などを催すのは、詐欺の典型的な手口です。豪華な食事、有名人を登壇させるなどのほか、たくさん購入している人に『こんなに儲かった』といった経験談を話させ、一種の洗脳みたいなことを行うのです」
被害回復は“早い者勝ち”
また、山岸純法律事務所代表の山岸純弁護士は次のように解説する。
「一度、詐欺で逮捕されたか何かの経験がある輩が背後にいる連中の仕業であることは、間違いありません。彼らは“表”には適当な飾りになる連中を添えて活動しており、かつて詐欺で逮捕されたときの経験を活かしてその手口を練っているのです。
その“経験”が、『騙した』と言われないための手口で、今回の金銭消費貸借契約が、彼らなりに考え抜かれた方法なのです。なぜなら、『詐欺』は、『最初からカネを返すつもりがないのに、投資と騙してカネを巻き上げた』ことが成立要件となるのですが、金銭消費貸借契約なら『返す』ことが契約で約束されているので、『返すつもりでした』と言われれば詐欺罪が成立しないからです(もちろん、ウソですが、人の心の中を証明するのは不可能です)。まあ、それなりに考えた手口ですね。詐欺罪が成立しない、逮捕されにくい、言い逃れできる、という“経験”がある輩が考えた方法であることは間違いありません。
この手のインチキ投資話は、同じ輩(“ウラ”にいるだけで表には出てきません)が手口を変えて何回も何回もやってますので、以下の点を気をつけていれば、ふつうは引っかかりません。それは、
・有名人や政治家との写真
・食事会
・豪華プレゼント
・紹介者(ここ重要です。この手のインチキ投資話は、必ず『紹介者』が出てきます)
・今回のみの特別利回り
・投資に成功した経験者の話
・有名な経営者と知人であるという話
・海外の何たら事業
といった話が出てきたら、財布の紐を固くして、すぐにその場から退散することです。そして、『あれ?』とおかしな点を感じたら、すぐにその写真に写っている有名人や政治家に連絡をとります、マスコミに騒いでもらいます、警察に相談します、弁護士から連絡させます、と大騒ぎすることです。
はっきり言うと、被害回復は“早い者勝ち”です。他人のことはかまってられません。とっとと大騒ぎして、弁護士を介入させて返金を求めなければなりません。綾瀬さんのお母様は、早めの被害回復だったことでしょう。早めに大騒ぎしたのが良かったのだと思います。
『投資に預けるおカネ』を揃えるまでどれだけの苦労をしたかを考えれば、必ず儲かります、などというお話には簡単には引っかからないことでしょう」
(文=編集部、協力=山岸純弁護士/山岸純法律事務所代表、深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表)
時事ネタや芸能ニュースを、法律という観点からわかりやすく解説することを目指し、日々研鑽を重ね、各種メディアで活躍している。芸能などのニュースに関して、テレビやラジオなど各種メディアに多数出演。また、企業向け労務問題、民泊ビジネス、PTA関連問題など、注目度の高いセミナーにて講師を務める。労務関連の書籍では、寄せられる質問に対する回答・解説を定期的に行っている。現在、神谷町にオフィスを構え、企業法務、交通事故問題、離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験をさまざまな方面で活かしている。