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木下隆之「クルマ激辛定食」

日産・新型エクストレイル、活動的なのに上質…悪路踏破性と乗り心地の両立を実現

文=木下隆之/レーシングドライバー
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日産・新型エクストレイル、活動的なのに上質に進化
日産自動車「エクストレイル」

 日産自動車エクストレイル」が4代目に進化して誕生。これまでの活動的なキャラクターを尊重しながらも、より一層上質感を高めたのが特徴だ。

 これには、市場の変化が根底にある。そもそも、2000年に誕生した初代エクストレイルは、「タフギア」をキーワードにしていた。キャンプサイトやゲレンデに向かうアクティブなユーザーに支持された。セカンドタイトルは「ノーリミット」。自らの可能性を拡げる相棒として人気を誇った。

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 ただ、ユーザー層に変化が現れ始めた。エクストレイルが属するL/MクラスSUVの年代別構成比率は、これまで66%だった40代以上比率が75%に跳ね上がったのだ。

 それに比例するように、セグメントの購入価格帯も上昇傾向にある。2010年には58%のユーザーがL/MクラスSUVを300万円以下に抑えたいと考えていたのに対して、2020年の調査ではわずか3%に低下。逆に350万円から450万円までの出費を覚悟する層が56%に上った。年齢層が上昇するとともに、「多少投資額を増やしてでもいいから高級なモデルが欲しい」と回答しているのだ。

 

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 一方、ユーザーの満足度と期待も変化しつつある。相対的にL/MクラスSUVユーザーは、悪路での踏破性を高く期待していながら満足できていない。それでいて、乗り心地も期待しながら納得できていないというデータがある。贅沢な要求には違いないが、それが生の声である。

 というわけで、新型エクストレイルが、持ち前のタフギアとしての踏破性に磨きをかけながら、ユーザーが求める上質な仕上げの両立にトライしたのである。

 そのために採用した技術は、ふたつ。まずはパワーユニットを、伝家の宝刀「e-POWER」のハイブリッドにスイッチした。純ガソリン仕様をカタログから消したのである。

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 しかも、発電機として搭載されるエンジンを、世界初の可変圧縮比「VCターボ」に置き換えた。このエンジンの解説だけでも紙枚が尽きそうなほど革新的なエンジンなのだ。それがきわめて強力で効率的だ。直列3気筒1.5リッターターボながら最大トルク250Nmもあるから、エンジンを高回転で唸らせなくとも充電が可能だ。だから静粛性が高い。そもそも回転フィールが整っている。音や振動が抑えられているのだ。

 もうひとつの切り札は、e-4ORCEである。フロントに330Nm、リアに195Nmという強力な電気モーター4WDとすることで、走行性能が高まった。しかも、コンベンショナルな4輪駆動システムではなく、前後左右の駆動力を調整するタイプだ。スタックしづらい、といった踏破性ではなく、オンロードでの操縦性も整っているのだ。

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 つまり、e-POWERとすることで環境性能と静粛性を高め、なおかつ発電機として機能するエンジンを革新的なVCターボとすることで、さらに静粛性と上質感を高めている。そのうえ、e-4ORCEを投入することで、守備範囲がクロスカントリーから都会まで広がったのだ。

 結果的に価格帯は、ベーシックな319万8000円から最上級オーテックの459万8000円となった。まさにマーケティングによるターゲットにピッタリ照準を合わせたというわけである。

 これまでの成功の歴史にちょっとだけスパイスを加えたエクストレイルは、また新たな成功に向かって歩みを早めたような気がする。

(文=木下隆之/レーシングドライバー)

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木下隆之/レーシングドライバー

プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

Instagram:@kinoshita_takayuki_

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