
週刊誌「AERA」(朝日新聞出版/6月6日号)に掲載された記事が話題になっている。その内容は、過去10年の難関20大学の合格者数ランキングにおいて、上智大学とMARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)の合格者数が急上昇中の高校があるというものだ。
大学志望校の人気ランキングにランクインする上智・MARCHだが、近年は入試問題の出題内容の多様化などにより、一般入試からの合格が難化。うまく出題の傾向を読み取り試験対策をしなければ、合格への道は遠いのだという。
そこで今回は、大学ジャーナリスト・石渡嶺司氏に上智・MARCHに強い高校の特徴について解説してもらった。
約5000校の高校のうち上智・MARCH以上を目指す進学校は200~300校
そもそも上智・MARCHへの入学はどれくらい難しいのか。
「河合塾が発表している偏差値でみると、MARCHクラスは55~65が中心、上智大学が60~67.5程度です。日本のトップ私立大学である早慶(早稲田大学・慶應義塾大学)の偏差値が65~72.5くらいなので、学部によってばらつきはあるものの、上智・MARCHの偏差値は十分に難関大学だといえるでしょう。
また、総合型選抜、学校推薦型選抜は簡単に合格できるイメージがありますが、必ずしもそうとは限りません。たとえば上智大のある学部だと、最低でも英語検定準一級を持っていないと出願できないなど、一般入試とは異なる難しさがあります。私の所感だと、どちらにしても難易度は高いと感じますね」(石渡氏)
このように上智・MARCHに入るためには、入試形態にかかわらず相当な対策が必要なようだ。実際、全国の高校生のうち、上位10パーセントに入っていないと合格できないほどの狭き門だともいわれている。
「2020年時点で全国には約5000校の高校が存在し、そのうち1500~2000校程度が4年制の大学を目指す進学校だといわれています。ですが上智・MARCHを目指す学校となると、そのなかの200~300校ほどです。なかでも上智・MARCHの合格率が伸びている学校を具体的に挙げるなら、大宮開成や頌栄女子学院、その他にも広尾学園や東京都市大学等々力といったところでしょう」(同)
大宮開成中学・高等学校の現役MARCH合格率は150%。また、上智大学合格者数1位の頌栄女子学院高等学校は、2020年が合格者数63名だったところ、22年には合格者数151名と急増しており、実に約2.4倍まで伸びているのだ。また、意外と静岡県の公立高校も上智・MARCHへの進学率が高いという。