「お金を使うとどうなりますか? 増えますか? 減りますか?」
この質問に対する答えによって、お金持ち脳か、そうでないかがわかります。多くの人が「お金は減る」と答え、お金持ちは「お金は増える」と答えます。この差はいったいどこにあるのでしょうか。
「お金を使うと減る」と考える人は「消費脳」
「お金を使うと、お金は減るでしょうか?」
こう質問されたら、「お金を使えば、お金が減るのは当たり前」と、多くの人が思うでしょう。確かに、1000円の本を買ったら財布から1000円がなくなるのですから、お金は減ります。
「お金を使えば、お金が減る」と考えることを「消費脳」といいます。消費脳の場合、「お金を使うと減ってしまうので、なるべく使わずに節約することが一番」という思考になります。もちろん、無駄遣いせずに節約してお金を貯めることは大切ですが、お金を使う視点が「現在」のことだけに集中してしまうのが消費脳の特徴です。
「お金を使うと増える」と考える人は「投資脳」
一方、お金を使う視点が「未来」にも向いているのが投資脳の特徴です。先ほどの1000円の本の例で、買った瞬間は確実に1000円減っていますが、その本から学んだことを生かして、将来100万円稼げるようになったとしたら「お金を使って増やせた」ということになるでしょう。
お金持ちは、普段の支出はもちろん、資産運用にしても、スキルアップにしても、このような「投資脳」で考えています。つまり、お金をより価値のあるものに使って、今あるお金を増やそうとしているのです。
世の中を見渡すと、年々価値が上がるものと、年々下がっていくものがありますよね。たとえば、酒屋やワインショップを覗いてみると、数十万円、数百万円の値がついているウイスキーやヴィンテージワインが売られていたり、古本屋さんを覗いてみると、室町時代の絵本が1000万円以上で売られていたりと、これらは時間を経ることで価値が上がっています。
一方で、数十年前に購入した家はどうでしょうか。買った時よりも価格が下がっていることがほとんどだと思います。
お金を使ってお金を増やす場合には、価値があるものに対して使うことが重要です。お金持ちは投資脳の人が多く、「お金を使って、いかにお金を増やすか」を常日頃考えています。
消費脳では、節約はできるかもしれませんが、お金を増やしていくことは難しいのです。みなさんも消費脳を投資脳に変え、お金持ちの習慣を身につけていけば、お金はどんどん貯まっていきます。
自己投資が単なる「消費」や「浪費」になっていませんか?
「人生100年時代」と呼ばれ、60歳を過ぎても働ける環境が整う一方で、仕事がロボットやAIに代替されてしまうともいわれています。そのうえ、コロナ禍で定着したリモートワークでは、どれだけ多くのアウトプットをできたかという「結果」が何よりも求められるようになりました。こうした中で仕事をしていくには、自己投資が欠かせません。
自己投資も「投資」である以上、リターンを意識する必要があります。自己投資の目的・期間・金額を確認し、きちんと役立っているもの、本当に必要なものだけを残しましょう。たとえば、通っていない英会話スクール、取得できていない資格の講座などはすべて「損切り」の対象。そのまま続けていても、単なる「消費」「浪費」です。
また、お金に換算できない「見えない資産」への自己投資も大切です。知識やスキルだけでなく、人間関係、評判、健康などを築いていくことも、これからの時代には欠かせません。自己投資を通して自分の価値が高まると、「あなたと仕事がしたい」と言われることも出てくるでしょう。自分の価値の高い、実力のある人は、会社や年齢という枠組みを超えて、いつまでも必要とされ続けるはずです。
(文=頼藤太希/経済ジャーナリスト、株式会社Money&You代表取締役)
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お金持ちになるのは簡単です。お金の基本を行動に移すだけ。今から始めるのが遅いなんてことはありません。人生を変えるなら、今です。