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現役東大生に聞いた「受験直前の過ごし方」…勉強法、体調管理、メンタル管理

構成=鈴木領一/コンサルタント:外部執筆者
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現役東大生に聞いた「受験直前の過ごし方」
「Getty Images」より

 大学入学共通テストが終了し、いよいよ受験本番の季節になってきました。2月になると、大学入試では二次試験が実施されますが、中学受験や高校受験も受験本番となります。この時期は、受験生本人だけでなく親御さんも緊張する日々が続いていることでしょう。そこで、現役の東京大学の学生に「受験前の過ごし方」を取材したので、紹介したいと思います。

 今回は、中学受験から大学受験までをカバーする個別指導塾『ファースト個別』にご協力いただきました。『ファースト個別』には、241名(2022年12月末日現在)の現役東大生が講師として所属、塾ナビでは宝町駅、白金台駅で人気の塾・学習塾ランキングNO1(2023年1月25日現在)となっています。

 今回、質問した項目は3つ。受験直前に、「勉強面」「体調面」「メンタル面」で、どのようなことに気をつけて過ごしたか、という内容です。回答いただいたのは、次の4名(※名前はプライバシーを考慮して全員仮名となっております)。

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武市 康太朗さん(文科2類1年)
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近藤 紗希さん(理科2類1年)
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清田 淳さん(文科1類1年)
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高橋 直也さん(文科2類4年)

 まず勉強面で4人全員に共通していたのは、「毎日やっていた勉強のルーティンを崩さない」という点でした。

 たとえば清田さんは、「2日で1年分の過去問を解く」と決めて、毎日続けていたそうです。もし、苦手科目に多くの時間を割くスケジュールを組んでいるなら、そのルーティンを崩さないようにするのです。この効果について、高橋さんはこう説明してくれました。

「直前に違う勉強をやると、見落としていたところを見つけてしまい、それで焦ったり不安になったりすることがあります。受験前には時間がありませんから、勉強し直す余裕がありません。だから、毎日やっていた勉強のルーティンを崩さないことが大事です」(高橋さん)

受験直前の体調管理

 次に体調面です。4人に共通していたのは、「バランスの良い食事と、睡眠をしっかり取る」、という点でした。そのほかは、それぞれ工夫をしていたようです。

「風邪を引きやすい体質だったので、毎日、のど飴をなめるようにしていました。それから足元を冷やさないようにしていました」(武市さん)

「生活のリズムを一定にしていました。特に寝る時間と起きる時間は必ず守りました。おなかが空いたら、食べたいものを食べるようにしていました」(近藤さん)

「風邪対策で、なるべく外出しないようにしていました。それから僕の場合、7時間睡眠と昼寝30分の組み合わせが一番良かったです」(清田さん)

受験期のメンタル管理法

 では、メンタル面ではどうでしょう。これは、ユニークな対策をしていた人がいました。

「僕は勉強している時に不安になることが多かったです。それを払拭するために、勉強で使った紙をためておき、それがたまっていくのを見て、『ここまで勉強してきたのだから大丈夫、絶対に受かる』と自分に言い聞かせました。結果的に、その紙は重量で10キロを超えるまでたまり、自分にとって大きな励みになりました」(清田さん)

「午前中の勉強をしっかりと過ごすことが大事です。午前が充実していれば、午後になって、『あれをやっておけば良かった』と後悔することもなく、一日の勉強を充実して過ごせます。早くから勉強していれば、夜になったら疲れてすぐに眠れます。そうすれば不安になる時間もありません」(高橋さん)

 毎日勉強だけで張り詰めるのも疲れてくるので、1日に1時間ほどはYouTubeや映画を観るなどのリラックスタイムも必要とのことでした。全員に共通していたのは、毎日の勉強のルーティンを崩さなければ、それだけでもメンタル面で安心して過ごせる、ということです。

 メンタル面では、近藤紗希さんの話が特に参考になりました。近藤さんは、受験のために北海道から上京しましたが、ホテルに宿泊した当日の動きを事前に決めていたそうです。

「朝起きて、顔を洗って、次に何をして、と事前に決めていました。朝食のバイキングでも、何を食べるかまで決めていました。受験に備えて、なるべく決断に頭を使わないようにしました」(近藤さん)

 とても理にかなった考えですね。これで受験もうまくいけば問題なかったのですが、受験会場で想定外のことが起こります。

「北海道からの移動にも慣れていなかったし、見知らぬ土地で緊張していたのかもしれませんが、会場で突然緊張し始めてしまい、手汗が止まらなくなりました。受験が終わって、振り返っても、何を考えていたか、どんなプロセスで問題を解いたかも覚えていない程でした」(近藤さん)

 普通ならこれで万事休すですが、近藤さんは見事合格しました。

「“過去の自分”が、勝手に解いていたのだと思います」(近藤さん)

“過去の自分”、つまり毎日勉強を続けてきた自分が、条件反射のように問題を解いていたというのです。何度も何度も繰り返し過去問を解いていたので、脳にすり込まれて、無意識にも答えることができたのでしょう。受験当日に緊張でパニックになっても、これまで勉強してきた自分を信じることです。そうすれば、自分が答えてくれます。

受験当日の過ごし方

 最後に、受験当日の過ごし方も聞いてみました。

「当日は、サンドイッチとおにぎりを食べて、あまり食べ過ぎないようにしました。これは模試で実験済みでした。小さい個包装のチョコも持っていき、それを直前で食べていました」(武市さん)

「お昼は食べ過ぎて眠くならないように、カロリーメイトなど、すぐに食べられて栄養が摂れるものを準備しました。僕たちの時には、ラムネのお菓子を食べるのが流行っていました」(高橋さん)

 チョコに含まれる成分「テオブロミン」には、「脳を活性化させ、神経を落ち着かせる効果」があるといわれます。さらに、チョコに含まれるポリフェノールは、記憶力を高める作用を持っていることも知られています。

 また、脳は大量のブドウ糖を消費するといわれ、ブドウ糖全摂取量の約25%を脳だけで消費するそうです。ラムネのお菓子はブドウ糖でつくられています。したがって、武市さんや高橋さんのように、受験直前にチョコやブドウ糖を摂取するのも、脳の活性化のために良いかもしれません。

 以上、現役東大生が教える受験直前の過ごし方でした。ご参考になりましたら幸いです。がんばれ!受験生!

(構成=鈴木領一/コンサルタント:外部執筆者)

協力:『ファースト個別』

鈴木領一/コンサルタント

鈴木領一/コンサルタント

 思考力研究所所長。行政機関や上場企業の事業アドバイスをはじめ目標達成のためのコーチングも行っている。プレジデント誌などビジネスメディアへの記事寄稿多数。また100の結果を引き寄せる1%アクション(サイゾー刊)は、氏のコーチングメソッドを初公開した書籍で、主婦から経営者まで幅広い層に支持されロングセラーとなっている。また、出版プロデュースの活動も行い、代表作には小保方晴子氏の『あの日』(講談社刊)がある。

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