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串カツ田中「期限切れ食材使用」など告発する文書拡散…「事実確認中」と発表も株価に影響

文=佐藤勇馬
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「大阪名物伝統の味 串カツ田中」公式サイト

 またもSNS発信の情報で大手飲食チェーンが大揺れになる騒動が起きた。といっても、今回は「迷惑動画」や「バカッター」ではなく、元従業員を名乗る人物の“告発”によって「串カツ田中」の株価が急落する事態になっている。

 今月26日、Twitterの人気アカウント「滝沢ガレソ」氏が、「串カツ田中を退職した店舗従業員による社内チャットの書き込み」とする文書を公開。その文章によると、1月に入社した新入社員が配属先の店舗で「手洗いしようとすると嫌な顔をされた」「1時間ごとの手洗いチェックが朝の段階で23時まで終わったことになっていた」「期限切れ食材を使用していた」といった、マニュアルを無視した不適切な業務内容を目の当たりにしたという。

 新入社員がマニュアルを守ろうとすると、店舗責任者から怒号を浴びせられるなどハラスメント行為を受け、入社から約1カ月で退社することになってしまったそうだ。真偽不明ながら、この告発ツイートは現在までにリツイートが2万件を超えるなど広く拡散されている。

 この騒動を受けて、運営会社の串カツ田中ホールディングスは27日に「SNS等で発信された情報について」と題するお知らせを公式サイトに掲載。「この度、弊社において、ハラスメントの疑いおよび食材の不適切な利用が疑われる旨、SNS等を介して情報発信がございました。これらについては、現在詳細の事実を確認中であり、公表すべき内容が発生した場合には速やかに公表致します」と報告した。

 同社の反応は比較的早かったものの、あくまで「確認中」ということでSNS上の騒ぎは拡大。社内チャットのログを調べれば文書が本物かどうかは簡単に判明するはずで、内容の真偽はともかく、少なくとも元従業員が“告発”した可能性は非常に高いためだ。この影響は株式市場にも及び、27日の同社の株価は一時前日比7%以上も下落してしまい、終値は3.6%安の1,542円となった。また、前日の同社の売買高は13,400だったが、27日は約38倍の511,500となっており、SNSの“告発”騒動によって投資家たちも大揺れになっていたことがうかがえる。

 飲食業界においては、1月末に大手回転ずしチェーン「スシロー」の店舗で高校生の客が「醤油ボトルや湯呑みをなめる」「レーンに流れているすしに唾液をつける」といった迷惑行為をしている動画が拡散され、親会社の株価が一時急落したことがあった。

 「動画の影響で客足が鈍るのではないか」といった憶測から株価が大きく動いたとみられ、その後にTwitterで「#スシローを救いたい」運動が盛り上がったことで致命的なダメージは避けられたようだが、SNSに流れた動画一本で大企業の足元が揺らぐというネット社会の現実が浮き彫りになった。こうした「迷惑動画」を故意に流すことで、空売りによるインサイダー取引が可能になってしまうと懸念する声もある。

 今回の「串カツ田中」の騒動は、もし告発内容が事実であれば「スシロー」の比ではない影響があるだろう。社内調査でどのような結果が出るのか、それにどう対応していくのかによって客足や株価が大きく変化しそうだ。

佐藤勇馬/フリーライター

佐藤勇馬/フリーライター

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

Twitter:@rollingcradle

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