ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 中国人「爆買い」消滅の危機  > 2ページ目
NEW

中国株バブル崩壊で、中国人「爆買い」消滅の危機 日本経済に甚大な影響か

文=編集部
【この記事のキーワード】, ,

 日本政府観光局の統計によると、今年1~5月累計の訪日外国人旅行者は前年に比べて44.9%増えた。なかでも中国からの旅行者増加が著しい。1~5月累計で前年の2倍超。春節のあった2月には2.6倍となった。このペースでいくと、15年の中国人の消費額は1兆円を超えるという見方も強い。

インバウンド関連銘柄に打撃

 だが、中国の株バブル崩壊により、この勢いが一気に失速することが懸念されている。インバウンド(訪日外国人旅行者)消費への期待を膨らませていた日本の小売業にとって、中国の株安は対岸の火事ではない。

 インバウンド関連の代表銘柄は東証2部上場のラオックス。国内最大規模の免税店ネットワークを持つ。同社は家電量販店の老舗で、中国企業に買収され、傘下に入った。13年12月期までは連続して最終赤字を余儀なくされてきたが、中国人観光者をターゲットに絞り、免税店での販売に力を注いだ結果、14年12月期は最終黒字に転換した。

 15年12月期の売上高は前期比39%増の700億円、営業利益は2.6倍の45億円、純利益は3.3倍の42億円と驚異的に収益が回復するというシナリオを描いている。株価も14年5月19日の安値42円から上昇に転じ、15年7月6日には554円と年初来高値を更新した。ここにきて中国・上海市場の株価下落が売り材料となり、7月9日には一時401円まで売られた。

 ラオックスは、連結売上高の7割を外国人観光者向けの免税店で稼ぎ出している。なかでも中国人ツアー客がダントツ。「爆買い」需要の減少が懸念され、株価が急落した。

 東証2部上場で中古のブランド品を扱うコメ兵も売られた。中古のダイヤモンドが中国人旅行者に人気だった。インバウンド消費の恩恵を受け、15年3月期の売上高は前期比7%増の431億円、純利益は11%増の20億円。「爆買い」する観光客は、百貨店で商品の品定めをして、コメ兵で中古のダイヤの指輪やブランド品を買う。4~6月の累計売り上げは前年同期比13.8%増と絶好調だ。

 このほか、特に中国人旅行者の消費が大きい銀座三越、松屋銀座、ビックカメラ、マツモトキヨシ、ドン・キホーテ、ABCマートなどの小売業は大きな影響を受けることが予想される。各社の7、8月の既存店売り上げが、上海ショックの影響を測る目安となる。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

Business Journal

企業・業界・経済・IT・社会・政治・マネー・ヘルスライフ・キャリア・エンタメなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト

Twitter: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

Instagram: @businessjournal3

ニュースサイト「Business Journal」

中国株バブル崩壊で、中国人「爆買い」消滅の危機 日本経済に甚大な影響かのページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!