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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

イオン“革命的PB”トップバリュ、超高品質を実現する驚愕の秘密!10万人モニター調査

文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授

マーケティングとは何か?」という問いに対する一般的な答えは、「顧客を満足させること」であり、それに異議を唱える人はいないでしょう。

 しかし、筆者は「マーケティング=高く売ること」と捉え、研究に取り組んでいます。アベノミクス効果により景気が上向いてきたとはいえ、実際のところ店頭に並ぶ消費財の低価格競争は依然として激しいままです。こうした環境において、競合する他社商品よりも高価格であるにもかかわらず、それでも消費者が納得して買ってくれる商品をつくり上げることは、企業にとって極めて挑戦的で価値ある目標になると考えているからです。とりわけ、人件費をはじめとして、さまざまなコストが高くなってしまう日本企業にとっては重要な課題です。

PBでも高く売る

 こうした研究を始めて5年が過ぎました。当初はNB(ナショナルブランド/メーカーが企画する一般的な商品)で大ヒットしているプレミアム商品にのみ注目していましたが、最近はPB(プライベートブランド/小売業者が企画・販売する商品)へも調査対象を拡大させています。

イオン“革命的PB”トップバリュ、超高品質を実現する驚愕の秘密!10万人モニター調査の画像2『「高く売る」戦略』(大崎孝徳/同文舘出版)

 PBは小売業者が企画するため、自社専用の商品となるパターンが主流です。よって、素晴らしいPBができれば顧客の囲い込みに大きく貢献します。また、自社商品ですから卸売業者は介在しないため、中間マージンが発生しません。さらに、広告宣伝なども抑えられる場合が多く、NBよりも低価格に設定してもNB以上の利益率となります。このように、PBは小売業者にとって極めて重要な商品群です。

 また、開発・製造を引き受けるメーカーにとっても、PBは引き取りが確約された大規模な注文である場合が多く、メリットがあります。自社のNB商品とのカニバリゼーション(共食い)に関しては、PBは徹底した低価格志向のもと、原料や製法などにおいて見劣りする場合も多いため、少し前までは大きな問題になっていませんでした。しかしながら、近年、勢いを増すイオンやセブン-イレブンを筆頭にPBの品質は大きな改善を見せ、NBに対する競合商品になってきています。

プレミアムPBの誕生

 こうした通常のPBの品質が向上してきていることに加え、NBと同等もしくは高価格で販売される高付加価値(プレミアム)PBも誕生してきています。代表的なプレミアムPBとしては、イオンのトップバリュセレクトや「金の食パン」に代表されるセブンのセブンゴールドがあり、ともに多くの消費者から高い評価を得ています。

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授。1968年、大阪市生まれ。民間企業等勤務後、長崎総合科学大学・助教授、名城大学・教授、神奈川大学・教授、ワシントン大学・客員研究員、デラサール大学・特任教授などを経て現職。九州大学大学院経済学府博士後期課程修了、博士(経済学)。著書に、『プレミアムの法則』『「高く売る」戦略』(以上、同文舘出版)、『ITマーケティング戦略』『日本の携帯電話端末と国際市場』(以上、創成社)、『「高く売る」ためのマーケティングの教科書』『すごい差別化戦略』(以上、日本実業出版社)などがある。

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